Arai Koh's Shogi Life

将棋ライター・アライコウのブログです。将棋について書いていきます。

藤井聡太六段、今年度はあと2戦!

 既報のとおり、藤井聡太六段は今年度の記録4部門(最多対局賞、最多勝利賞、勝率1位賞、連勝賞)を独占することが確定しました。

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 先日のC級2組順位戦最終局でも、実力派の若手である三枚堂達也六段に勝利。10戦全勝でC級1組への昇級に華を添えました。
 これで15連勝ですが、まさかあの29連勝を超えたりは……いや、いくらなんでもそこまではと思いつつも、期待している人は少なくないのでしょう。

 さて、藤井六段の今年度の対局は、残り2つです。
 1つめは3月22日(木)の王座戦二次予選決勝、対糸谷哲朗八段
 糸谷八段は元タイトルホルダー(竜王)。今年度は順位戦B級1組においてトップでA級昇級を決めており、今もっとも勢いのある若手のひとりです。
 王座戦は藤井六段にとって、一番早くタイトル獲得できる可能性がある棋戦ですが、決勝トーナメント進出の前に相当の難敵が立ちはだかる格好です。

 2つめは3月28日(水)の王将戦一次予選3回戦、対井上慶太九段
 井上九段はA級在籍経験もあるベテラン。今期順位戦はB級2組で指し分けの成績。年齢的には指し盛りが過ぎていますが、決して油断のならない相手です。

 藤井六段が残りも全勝で駆け抜けるのか、それともどちらかが待ったをかけるのか、注目されます。

将棋ぴあ (ぴあMOOK)

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将棋ファンになったばかりの人はぜひ『泣き虫しょったんの奇跡』を読もう!

 瀬川晶司五段の自伝『泣き虫しょったんの奇跡』は、将棋界に燦然と輝く感動ノンフィクションで、当ブログでも紹介したことがありました。

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 この本を原作とした映画が制作されることは以前から伝えられていましたが、このたび続報が公開されました。

 さて、藤井聡太ブームでつい最近将棋ファンになった方に、もっともおすすめできるノンフィクションとしてこれを挙げたいと思います。
 史上最年少で奨励会を抜けた藤井六段とはまるで対極の、年齢制限により一度はプロを諦めた男の物語。大きな挫折に打ちのめされながらも、周囲の助けと奇跡によってプロ入りを果たした瀬川五段の実話は、それこそ日本中を沸かせるニュースになったものです。

 ぜひとも映画が公開される前に、原作を読んでみてください。お子さんがいる方なら、読書感想文の題材としてもいいですよ。

泣き虫しょったんの奇跡 完全版<サラリーマンから将棋のプロへ> (講談社文庫)

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棋士 瀬川晶司―61年ぶりのプロ棋士編入試験に合格した男

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瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか

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奇跡の一手―サラリーマン・瀬川晶司が将棋界に架けた夢の橋

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藤井聡太語録 言葉から紐解く若き天才の思考術

 まだちょっと先の話ですが、このような本が発売されるようです。

藤井聡太語録 言葉から紐解く若き天才の思考術 (DIA Collection)

藤井聡太語録 言葉から紐解く若き天才の思考術 (DIA Collection)

 

 藤井六段が中学生とは思えないほど機知に富んだ発言をすることは、よく知られているところです。インタビュー等で飛び出したそれらの言葉をまとめ、分析や論評をするという内容かと思われます。

 この本に藤井六段本人が、最新のインタビュー等で関わるのかどうかは、まだわかりません。ともあれ続報待ちですね。

注目度赤丸急上昇! 藤井聡太六段の同期、大橋貴洸四段

 プロ棋士は通常、半年に2人誕生します。つまり必ず同期の棋士がいるわけですね。
 それでは藤井聡太六段の同期の棋士は誰でしょうか。熱心な将棋ファンでないと、ちょっと難しい質問かと思います。

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 答えは大橋貴洸(おおはし・たかひろ)四段。
 1992年生まれの現在25歳。四段になったのは24歳のときです。
 プロ棋士になれる年齢制限は原則26歳ですから、あまり後がない状況でのデビューだったことになります。三段リーグの在籍は6年に及び、あと一歩で昇段を逃すということが幾度となくありました。そうしてようやくプロの座を射止めたのです。

 こうした「遅咲きの新人」が、のちにタイトル争いに絡むほど活躍した例はそうそうないのですが、大橋四段はその兆しが見えるほどの大活躍をしています。

 まず、今年度の成績は以下のとおりです。※2018年3月9日対局分まで(未放映のテレビ対局を除く)

  • 41勝11敗
  • 対局数ランキング:同率4位
  • 勝数ランキング:2位
  • 勝率ランキング(30局以上):2位 ※0.788
  • 連勝ランキング:同率15位 ※8連勝

 特筆すべきは勝数と勝率です。いずれも藤井六段に次ぐ2位。
 どうしても藤井六段の活躍のほうが目立ってしまいますが、こちらもデビューしたての新人としては、近年稀に見るレベルの好成績です。
 そして大橋四段は、公式戦で藤井六段に唯一2勝を挙げている棋士です。

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 藤井六段は1月6日の王位戦予選に敗退して以降、14連勝の負け知らずですが、その黒星をつけたのが大橋四段でした。昨年11月の棋聖戦予選に続いての連勝です。

 また、上の記事内でも言及されていますが「観る将」にとっての注目ポイントが、そのファッションセンスです。
 対局時、とても目立つ色のスーツを着用することで常に話題になります。連盟サイトの公式プロフィール写真でも、まばゆいばかりの水色ですね。ちなみにプロ入りを決めたときの藤井四段(当時)とのツーショットでも、個性的な色のスーツでした。

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 ただ、イベントや解説など自身が主役でないときは落ち着いた色合いのスーツになるようです。それが逆にファンを驚かせる効果をもたらしているのが、また面白いところ。

 実力もファッションセンスも申し分なし。将来性豊かな大橋四段に、ぜひ注目していきましょう。

今年度の升田幸三賞を予想する

 4月頭に発表される将棋大賞、もっとも注目されているのはやはり、藤井聡太六段の4部門(最多対局賞、最多勝利賞、勝率1位賞、連勝賞)独占なるかどうかです。この分だと、かなり可能性は高そうですね。

 しかし私がいつも注目しているのは、升田幸三賞です。
「新手一生」を掲げた昭和の大棋士・升田幸三にちなんだこの賞は、新手や妙手を指した棋士、定跡の進歩に貢献した棋士に与えられます。
 直近5年の受賞者を見ると、以下のようになっています。

第40回 藤井猛「角交換四間飛車」
第41回 松尾歩「横歩取り△5二玉型」
第42回 菅井竜也「中飛車左穴熊やゴキゲン中飛車、早石田など数々の戦法における新工夫に対して」
・升田幸三賞特別賞 塚田泰明 「塚田スペシャル」
第43回 富岡英作「角換わり腰掛け銀富岡流」
第44回 千田翔太「対矢倉左美濃急戦」「角換わり腰掛け銀4二玉・6二金・8一飛型」
・升田幸三賞特別賞 加藤一二三 「棒銀をはじめとする数々の新工夫」

 これらを見ると、既存の戦法に新たな息吹を吹き込んだという感じの受賞が多いですね。おそらく今年度もそうなるだろうと思います。
 今、一番ホットな戦法は何だろうか――と考えると、角換わり腰掛け銀、横歩取り、そして雁木です。

 角換わり腰掛け銀は去年一昨年と受賞しているので、今年度は横歩取りか雁木ではと思います。
 では横歩取りの新機軸とは? やはり勇気流でしょう。

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 佐々木勇気六段が指したことでその名が付いた、6八玉と上がる形です。連採するや高勝率を上げ、あっという間にプロ間で流行しました。飛車に近づくのでいかにも怖い形なのですが、これでバランスが取れているんですね。

 一方の雁木です。とうに廃れた昔の戦法と思われていましたが、数々の工夫が加えられ現代に蘇りました。その立役者が増田康宏五段です。

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 これは昨年の新人王戦決勝戦第1局です。旧来の雁木は5七に銀があるものを言ったのですが、そうしないのが現代調。形を決めないのが重要ということでしょうか。

 この2つ、どちらも升田幸三賞にふさわしいと思いますが、すっかり定着したという意味では勇気流に軍配が上がる気がします。
 というわけで、本命は「横歩取り勇気流▲6八玉型」。これが受賞時の正式な名称になると予想します。

升田の研究?鬼手と石田流? (将棋連盟文庫)

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LPSA再びの悲願へ向けて! 渡部愛女流二段の奮闘

 3月5日、女流王位戦挑戦者決定リーグ戦の最終戦が行われました。

第29期女流王位戦挑戦者決定リーグ

 白組優勝を決めたのは清水市代女流六段。女流タイトル獲得数は通算43期でぶっちぎりの第1位、4つのクィーン称号を保持するなど、言わずと知れた女流棋界の現役レジェンドです。
 そして紅組優勝を決めたのはLPSA(日本女子プロ将棋協会)所属の渡部愛女流二段。2016年から2017年にかけてNHK「将棋フォーカス」の将棋講座の聞き手を務め、一躍顔を知られるようになりました。女流棋界期待の星のひとりです。

 期待の星というのはむしろLPSAにとって、と言えます。
 LPSA所属プロの成績はおしなべて低調です。発足以来タイトルに絡めた人は、今はもう引退・退会した石橋幸緒さんのみ(2007年、女流王位奪取。2008年防衛、2009年失冠)。決勝トーナメントやリーグ戦に進めること自体が少ないという状況です。そもそも将棋連盟と比べて、所属棋士の数が少ないのが大きな原因ですが……(総数15人のうち、現役は7人)。

 渡部さんはデビュー時、いわゆる女流プロ認定問題に巻き込まれた悲劇の人です。どんな問題だったかあらためて書くことはしませんが、もし藤井聡太ブームに沸く現在に起こっていたら、将棋界の評判は相当に下がったかもしれません。それほどのネガティブなニュースでした。

 渡部さんは自分の実力とは無関係なところで、大きな苦労を強いられました。
 しかし本格的にデビューしてからはめざましい活躍を見せます。各棋戦の上位進出をはじめ、2015年には新人王戦で三枚堂達也四段(当時)を破り、男性棋士初挑戦にして勝利という快挙を成し遂げました。また新設棋戦の女子将棋YAMADAチャレンジ杯で初代女王になり、翌2016年にも優勝して連覇を達成します。
 2017年には女流初段昇段後60勝の規定で女流二段に昇段しました。女流棋士は棋戦が少ないので、勝数規定での昇段は時間がかかるのですが、およそ3年半での達成はかなりのペースと言えます。

 そして今回、女流王位戦の挑戦者決定戦にまでコマを進めました。5戦全勝とは実に見事な成績です。
 タイトル挑戦となれば、LPSA所属としては石橋さん以来の悲願になります。相手は実績と経験ではるかに上回る清水さんですが、現役レジェンドをしても渡部さんの若さと勢いは脅威のはずです。

 挑戦者決定戦は3月14日(水)に行われる予定。本格派居飛車党同士の熱戦が期待できます。

藤井聡太六段の師匠、杉本昌隆七段の実力とは?

 3月1日、藤井聡太六段は竜王戦5組ランキング戦において、阿部隆八段に勝利しました。これで13連勝で、去年の29連勝と合わせて今年度の連勝部門のワンツーフィニッシュが確定しました(なお、同率2位に永瀬拓矢七段がいます)。

 今回も危ない局面はありませんでした。阿部八段はかつて竜王戦に挑戦し、当時の羽生善治竜王相手に奪取目前まで迫ったことのある、ベテランの中でもまぎれもない実力者のひとりですが、「ずっと苦しかった。いいところがひとつもなかった。完敗でした」と言わしめるほど。この5組ランキング戦であと2つ勝てば、七段昇段することも報道されだしていますね。↓の記事を書いたのは1月でしたが、かなり可能性が高くなりました。

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 さて、次戦は3月8日(木)の王将戦一次予選。相手は師匠である杉本昌隆七段ということで、さらにマスコミの注目が集まりそうです。
 公式戦では初対局になりますが、これまで重ねてきた練習将棋では、杉本七段の勝率は2割ほどだそうです。

杉本七段 愛弟子との対局へ「勝てないと思われるのもしゃく」― スポニチ Sponichi Annex 芸能

 しかしプロの実力は、常に紙一重です。下馬評では圧倒的に有利だった有望な若手をベテランが破る、そんな光景は当たり前のようにあります。
 というわけで杉本七段の棋歴を、あらためておさらいしてみようと思いました。

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 デビューしたのは1990年。1995年に五段、2000年に六段、2006年に七段となっており、すべて勝数規定での昇段です。
 順位戦の最高クラスはB級1組。2008年度はもう一歩でA級に昇級できるところでした。
 竜王戦では順位戦以上の好成績を収めています。2003年度2004年度には決勝トーナメントに進出しています。最高クラスの1組に8期在籍、現在は2組です。
 一般棋戦では2001年、朝日オープン将棋選手権(先日藤井六段が優勝した朝日杯将棋オープン戦の前身)で、準優勝しています。森内俊之八段(当時)や中原誠永世十段といった強豪を破っての決勝進出でした。

 輝かしい実績はないものの、やはり杉本七段も力のあるベテラン。そう言っていいと思います。

 将棋界では師匠に勝つことを「恩返し」と言います。これだけ強くなりました、と勝利で伝えるわけですが、もちろん師匠の側も本音では負けたくないに決まっています。
 杉本七段は振り飛車党なので、白熱した対抗型が展開しそうです。練習将棋とは違う、ベテランの底力が見られるのではないでしょうか。

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名人撃破! 絶好調、あるいは一皮剥けた橋本崇載八段

 昨日のA級順位戦「将棋界の一番長い日」、すさまじいの一言でした。前代未聞の6人によるプレーオフ、冤罪事件を経て理不尽な最下位に置かれた三浦弘行九段の残留、その三浦九段に敗れた渡辺明棋王の陥落。今後数十年にわたって語り継がれるであろう、伝説の日になりました。

 この特大ニュースの影響ですっかり影が薄くなってしまったのですが、昨日はもうひとつ大きなカードがありました。竜王戦2組ランキング戦の、橋本崇載八段対佐藤天彦名人です。

 この対局は橋本八段の勝利でした。戦型は横歩取り。横歩取りといえば佐藤名人の十八番で、名人奪取の原動力となったことでも知られています。
 一方の橋本八段は居飛車も振り飛車も指しこなすオールラウンダー。しかし現在振り飛車の採用は減っており、代わりに積極的に横歩取りを指すようになっています。ここ最近モバイル中継されたものを見ても、その割合はかなりのものです。

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 そして昨日も現役名人のエース戦法を真っ向から迎え撃ち、見事に勝利しました。これで橋本八段の今年度成績は13勝14敗。負け越しているのですが、直近10局だと8勝2敗となっており、その充実ぶりがわかります。

 かつての橋本八段は、NHK杯に金髪パンチパーマで出たとか、カメラ目線をしたとか、佐藤伸哉七段のモノマネをしたとか、何かと話題先行の面がありました。しかしそれが将棋ファンに知られるようになった一因であり、実際のところ私もそうして彼のファンになったひとりです。

 橋本八段が将棋バーをオープンしたと聞くと、それまでバーなどというものに行ったこともなかった私が、一念発起して足を運んでみました。ぜひとも実際に会ってみたかったのです。
 間近で接した彼は、非常に真摯で礼儀正しい青年でした。テレビで見せるのはあくまでパフォーマンスであり、これが本来の彼の姿なのだなと感銘を受けたものです。それからも定期的に足を運んで、誕生日を周りのお客さんと一緒になって祝ったこともありました(確かそのとき「後手振り飛車もう辛い」と言っていました)。

 しかし2016年、冒頭でも触れた三浦九段の冤罪事件が起こります。
 橋本八段はこの件に直接の関わりはなかったのですが、Twitterでの勇み足な発言がありました。直後から疑問の声が上がりましたが、いよいよ三浦九段のシロが明らかになると、いっそう批判の声が集中しました。彼にとっては拭いがたい痛恨のミスであり、失望した将棋ファンも少なくなかったことでしょう。※橋本八段はその後、三浦九段に謝罪をしています。

橋本崇載八段が三浦弘行九段に謝罪「一兆%無実です。疑ってごめんなさい!」 | 将棋ワンストップ・ニュース

 この事件を経て、彼は変わったように感じます。
 Twitterアカウントを閉鎖し、あれだけ真摯に経営していた将棋バーも閉店し、新たな気持ちで将棋一本のみに打ち込んでいます。

 最近はこのように、和服をよく着用しています。常に自分は見られているのだと、まるでタイトル戦のように気を引き締めている。
 現在の好成績は、この姿勢と無関係ではないと思います。橋本八段は、棋風の変化とともに一皮剥けました。

 そして今、A級への返り咲きが見えてきました。
 B級1組の最終戦は3月9日(金)。橋本八段は現在単独2位で、自身が勝てば昇級。負けても3位の阿久津主税八段が敗れれば昇級が決まります。
 かつては即陥落の憂き目に遭った最高峰の舞台に、再び乗り込もうとしています。昨夜死闘を繰り広げたA級棋士たちと比べても、何ら見劣りすることはありません。

 

 最後に今日は、橋本八段の誕生日です。おめでとうございます。

橋本崇載の勝利をつかむ受け (NHK将棋シリーズ)

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マイナビ将棋BOOKS 橋本流 中終盤急所の一手

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棋士の一分 将棋界が変わるには (角川新書)

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アニメ『3月のライオン』が海外のアニメアワードで「シリーズ続編賞」に輝く

 以前記事にした、アニメ『3月のライオン』が海外のアニメアワード「CRUNCHYROLL ANIME AWARDS 2017」にノミネートされた件ですが、結果が出ました。

www.theanimeawards.com

 

 全17部門の6部門にノミネートされていましたが、「シリーズ続編賞」に輝きました。今のアニメは続編ものが非常に多いのですが、その中でもトップだと評価されたわけです。まことにおめでとうございます。

 平昌オリンピックが開催されていたため、アニメはしばらくお休みでしたが、3月3日(土)から再開されます。いよいよ終盤ですが、はたして原作のどこまで描かれるのか、楽しみですね。

3月のライオン 6(完全生産限定版) [Blu-ray]

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飛車を詰ませ! 意外すぎるテーマの戦術書が登場

 今日もつらつらとAmazonで将棋の新刊を調べていたのですが「おおっ?」と唸らざるを得ないものを発見しました。

史上初の詰飛車問題集

史上初の詰飛車問題集

 

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「ヘボ将棋 王より飛車を かわいがり」

 という有名な川柳がありますが、逆に言えばそれだけ将棋において飛車は大事ということです。

(はじめにより)
「ひょっとして、素人の将棋なんて飛車をとってしまえば勝ちじゃねぇの?」
私の心にわき上がってきたそんな素朴な疑問を、長年の友人でありまぎれもないプロ棋士である日本将棋連盟の石田直裕五段にぶつけてみた。
「そうですよ。というより、プロ同士の対局でも飛車をとられたらだいたい終わりですよ」
石田五段は、そう断言した。

 実戦でも飛車を目標に攻めていくという局面は頻繁にあります。どうすれば効率よく飛車ゲット! とできるか、そのエッセンスがたっぷり詰まっていそうです。これは今までありそうでなかった、画期的な戦術書と言えるのではないでしょうか。