加藤一二三九段の将棋講座が囲碁・将棋チャンネルで再放送!
2月24日(土)から、囲碁・将棋チャンネルにおいて加藤一二三九段の将棋講座【加藤一二三の「直感精読 会心の一手」】が再放送されます。
全26回で、放送時間は毎週土曜日の深夜3:40~4:00です。
私はもうすでに、以前に放送されていたものを録画していますが、大山十五世名人をはじめとする大棋士たちとの熱闘、その中でも加藤九段の名手好手ばかりが取り上げられるわけですから、とても勉強になります。
何より、今より少しだけ若い姿の加藤九段を見られるのは、(たぶん)この番組だけです。CSに加入している加藤九段ファンは要チェック!
藤井聡太六段に続くか? 来期から三段リーグを戦う伊藤匠三段
先日の朝日杯において、藤井聡太六段とは別の、あるひとりの少年がにわかに注目を集めました。
#朝日杯将棋オープン戦 、藤井聡太五段(六段に昇段)の対局の記録係は2局とも伊藤匠三段でした。藤井さんと同学年の期待の星です。 pic.twitter.com/uU9JqfktdX
— YAMAGUCHI,Susumu 山口進 (@yamaguchis21) 2018年2月17日
伊藤匠三段。藤井六段と同学年ということなので、現在は卒業を控えた中学三年生。藤井六段とは大会で顔を合わせたこともあるそうです。
昨年末、関東奨励会において三段昇段を決め、4月から新たにスタートする三段リーグを戦うことになっています。成績表を見ると、一気に5連勝しての昇段。これは強いと思わせますね。
実は伊藤三段、小学生の頃にNHKの「カラフル!」という番組で取り上げられたことがありました。その映像が現在も見られます。
プロ棋士を夢見る子供。教育番組として撮影しやすいテーマで、彼の特別な才能に目をつけたわけではなかったのでしょう。
しかし彼はついに三段にまで登り詰めました。プロになる日が来たら、貴重な映像としてより多くの人に見られるようになるはずです。
ちなみに伊藤三段のお父さんは、弁護士の伊藤雅浩さん。たびたび将棋のことをツイートされていたのですが、こうした背景があったわけですね。
長男が記録係を務めることになりました。粗相がないように、、 https://t.co/UN7WWRlN8u
— Masahiro Ito/伊藤雅浩 (@redipsjp) 2018年2月17日
ともあれ来期の三段リーグも、目が離せません。
藤井聡太六段、強すぎて若手棋戦に出られなくなる
ほんの1ヶ月前までは四段だったのに、今や六段にジャンプアップした藤井聡太さん。五段でいたのはわずかに16日でした。
さて、藤井六段が優勝した朝日杯将棋オープン戦は全棋士参加の大型棋戦ですが、若手棋士に限定したコンパクトな棋戦もあります。
の3つです。
そしてこのうち、四段のみ出場できる加古川清流戦と、五段以下かつプロ入り15年以下が出場できる上州YAMADAチャレンジ杯については、デビュー1年ちょっとにして出場資格を失うことになりました。強すぎて昇段スピードが早すぎるがゆえの珍事と言えましょう。
残る1つは新人王戦。しんぶん赤旗主催の、およそ50年の歴史を誇る新人の登竜門です。羽生善治竜王、森内俊之九段、丸山忠久九段、藤井猛九段、渡辺明棋王など、新人王戦の優勝者はその多くが大成することでも知られています。
で、新人王戦の出場資格は以下のとおりです。
- 26歳以下(10月1日現在)
- 六段以下(タイトル戦経験者は除く)
- 成績選抜の女流枠(ただし、26歳以下)4名
- 赤旗名人戦優勝者(赤旗名人)
- 前期三段リーグ成績上位者(※定員40名から前述の1~4の合計人数を引いた人数が参加)
藤井六段は1と2に該当するわけですが、今期がラストチャンスの可能性があります。
新人王戦は若手限定のコンパクトな棋戦ですが、トーナメントの組み合わせが決定するのが例年10月で、決勝三番勝負が行われるのは翌年の10月。1年をかける、かなりゆっくりした進行です。
そして藤井六段は↓の記事でも書いているとおり、早くて5月には七段になる可能性があります。
そうなったとしても、もちろん現在進行中の今期については七段のままで出場を継続できます。
組み合わせの決定時には四段で、優勝時には七段……十分にあり得ますね。これもまた空前絶後の記録になるでしょう。
藤井聡太六段誕生! さあ次の目標は?
本日行われた朝日杯将棋オープン戦において、藤井聡太五段が準決勝戦で羽生善治竜王を、決勝戦で広瀬章人八段を破り、自身初となる棋戦優勝を果たしました。またこの優勝によって「五段昇段後全棋士参加棋戦優勝」の規定を満たし、六段への昇段が決まりました。
藤井聡太五段が最年少棋戦優勝!
— 日本将棋連盟【公式】 (@shogi_jsa) 2018年2月17日
羽生竜王・広瀬八段を破り第11回朝日杯将棋オープン戦本戦を制しました。同時に「五段昇段後全棋士参加棋戦優勝」を満たしたため、六段昇段となりました。https://t.co/MS6jnzjMhu
……いやはや恐ろしい。羽生さんは言うに及ばず歴史上最強の永世七冠。広瀬さんも元タイトルホルダーで、本戦では菅井竜也王位、渡辺明棋王、久保利明王将と立て続けに現役のタイトルホルダーを破っての決勝進出だったのです。ところが経験と実績ではるかに上回るこのA級棋士を相手にして、危ないところはまったくなし。2戦とも完璧な指し回しでした。
「藤井 六段」とかで検索した人が相当に多かったようで、当ブログもご覧のとおりアクセス数が急上昇。↓の記事を書いたのは1ヶ月前でしたが、本当に実現してしまいました。
とてつもない偉業を達成しましたが、藤井六段にとってはこれもひとつの通過点。
さて、次なる大きな目標は何でしょうか?
まずは、竜王戦の5組ランキング戦での優勝です。こちらも先月の記事で、決勝進出の時点で七段に昇段することを書きましたが……相当実現の可能性高そうです。
もちろん藤井六段の目標は段位を上げることではなく、あくまでもタイトル挑戦と獲得です。昨年にあの29連勝を成し遂げ、そして30連勝を阻まれた竜王戦の挑戦者決定トーナメント。今度こそは勝ち上がる――そう意気込んでいることでしょう。
しかし今は、しばしの休息をと願わずにいられません。
名局を見せてくれてありがとう藤井六段。将棋ファンとして、幸せすぎる1日でした。本当に将棋ファンでよかったです。
運命の日来たる! 羽生善治竜王vs藤井聡太五段を大胆予想
全将棋ファン、そして将棋に詳しくない人たちさえも注目する朝日杯将棋オープン戦。準決勝戦と決勝戦が明日17日、東京・有楽町朝日ホールで開幕します。
会場チケットは決して安くないにもかかわらず即完売。さらに協賛として羽生竜王が愛用する眼鏡のブランド、Zoffが加わったことが話題になりました。
Zoffが朝日杯将棋オープン戦 準決勝・決勝の協賛をさせていただきます!!!#将棋 #朝日杯 #羽生善治 #藤井聡太 #久保利明 #広瀬章人 #Zoff #ゾフ #eyewear
— Zoff (@Zoff_INFO) 2018年2月8日
第11回 朝日杯将棋オープン戦 準決勝・決勝|朝日新聞デジタル https://t.co/IWey4vy0uC
2011年に発売された「3月のライオン」桐山零くんメガネ、羽生竜王の着用メガネがZoff SMARTであったりと将棋界とのご縁があり協賛に至りました。Zoffは将棋界を応援しています!#将棋 #朝日杯 #3月のライオン #桐山零 #Zoff #ゾフ #eyewear
— Zoff (@Zoff_INFO) 2018年2月8日
さて、やはり一番の注目の的は、藤井五段です。
それにしても、デビュー1年ちょっとの若手がA級棋士3人と肩を並べるとは、よくよくすごい光景です。大勢の人が見守る公開対局という場で、藤井五段がどれだけ普段どおりの力を出せるかがカギになりそうですが……余計な心配でしょうね。彼の中学生らしからぬ胆力と落ち着きぶりは、もう誰もが認めているところです。
個人的に注目しているのは、羽生竜王が藤井五段相手にどんな戦型で戦うかです。
初めて相まみえた「炎の七番勝負」では角換わりでした。先手の藤井四段(当時)が桂跳ねからの速攻を仕掛け、そのまま快勝。思えば彼が真の意味で世間から注目され始めたのは、この羽生撃破の衝撃からでしたね。
その後、ニコニコ動画が主催した「第零期獅子王戦」で再度対決(収録日の関係で先に結果が出たのはこちら)。このときは羽生三冠(当時)が先手を持ち、藤井システムを発動。さすがに経験の差が出たか、羽生さんの危なげない勝利で終わりました。
非公式戦では1勝1敗の五分でしたが、いよいよ満を持しての公式戦です。
いつでもベストを尽くそうとするのが羽生さんであることは、ファンなら皆が知っていることですが、やはり公式戦となればかける熱量は段違いでしょう。先日の国民栄誉賞表彰式後の会見でも、その意気込みを語っていました。
本気の本気で、藤井五段を負かしにいく。
となれば、経験を生かした戦いにするのではないでしょうか。
最新研究が盛んな角換わりや横歩取りではなく、藤井五段がまだ経験不足である戦型。
ずばり、再度の藤井システムです。
これには他の根拠もあり、本戦の1回戦と2回戦でも四間飛車を採用し、立て続けに若手を破っています。八代六段戦については、ほぼ負けの局面が続いた末の苦しい逆転勝ちでしたが……。二度あることは三度ある、という予想です。
それに羽生竜王は早指し戦だと、振り飛車を積極的に投入している印象があります。3年前の朝日杯決勝でも、渡辺明二冠(当時)相手に中飛車を採用していました。
ここからは勝手な想像です。持ち時間が短い場合、美濃囲いですぐに玉を固めることができる振り飛車は、(比較的)安心して指せるということなのかもしれません。
角換わりや横歩取りは、玉が一マス違うだけで将棋全体がずいぶん違ってきますが、美濃囲いは定位置が決まっています。藤井システムも最初は囲いを省略して攻めの姿勢を見せるとはいえ、最終的には定位置に落ち着くことが多いですしね。悩まないで済む分、攻めの構築に力を注げるのは大きいでしょう。
というわけで本命は藤井システム。対抗は中飛車です。とにかく振り飛車を投入するでしょう。まずはこの予想が当たっているかを楽しみに待ちたいと思います。
スマホ向けアクションゲーム『ひふみんRUN すすめ!棒銀一直線』レビュー
先月発表されたスマホ向けアクションゲーム『ひふみんRUN すすめ!棒銀一直線』ですが、本日正式にリリースされました。
『ひふみんRUN すすめ!棒銀一直線』加藤一二三 九段が将棋世界を爆走するゲームが登場 https://t.co/EZKoCKEqMe pic.twitter.com/5yOXM4dGhx
— ファミ通.com (@famitsu) 2018年2月14日
さっそくプレイしてみましたので、レビューをお送りします。私は普段加藤九段のことを「ひふみん」と呼ぶことはほとんどないのですが、今回はゲームのキャラクターということで、そう記述することにしました。
タイトル画面。まん丸なひふみんが可愛い。
それより将棋盤のマス目が10×10になってますが、さすがにここは直してもらいたいです……。
自動的にひふみんが動くので、タップしてジャンプし将棋盤を飛び越えていきます。チョコレートは後述する実績解放に必要なので、積極的に取りに行きましょう。途中の歩に当たったり、下に落ちてしまうとライフが減ります。
最初は簡単だなーと思っていたのですが、だんだんひふみんのスピードが上がってきて足場も減ってくるので、ジャンプのタイミングが難しくなります。
うな重を取ると「棒銀」状態になって、無敵になります。歩に当たっても大丈夫なように。正座なのはグッドだと思いました。
3回ミスするとゲームオーバー……なのですが実は何度でもコンティニューできます。ですのでハイスコアを更新するだけなら全然難しくありません。
コンティニューするには、加藤九段からのメッセージを見る必要があります。後半になるほどゲームオーバーになる確率が高いので、もう少しメッセージの種類があればよかったかなと。今後のアップデートに期待です。
特定の記録を達成すると、このように実績が解放されます。七段のチョコ123個、八段のうな重123個はちょっと苦労しそう。
解放した実績に応じて、ひふみん以外のキャラクターも使えるようになります。ハムさんって何のことかと思ったら、羽生さんですね。
総評としては、予想どおりのお手軽なアクションでした。Nintendo Switch用『ひふみんの将棋道場(仮称)』の広報作品としての位置づけで、盛大なゲーム性で楽しむという性格のアプリではないですが、空き時間にはちょうどいいなと思いました。ひとまずは八段を目指します。
『サラの柔らかな香車』著者・橋本長道さんのコラムは将棋ファン必読
ここ数年で、将棋小説はずいぶんと数を増やしてきました。
その隆盛のきっかけのひとつとも言える作品が、2011年に小説すばる新人賞を受賞した『サラの柔らかな香車』です。のちに将棋ペンクラブ大賞の文芸部門でも受賞するなど、ご存じの将棋ファンは少なくないかと思います。
著者は橋本長道さん。1984年生まれの現在33歳。
橋本さんは元奨励会員という経歴の持ち主で知られています。『サラの柔らかな香車』のテーマは「天才」。異能を持つ天才少女を主人公とする物語ですが、彼女を見守る元プロ志望の青年は、明らかに橋本さん自身の投影です。
プロを諦めた者から見た、将棋と天才の世界。それを非常に美しい筆致で書き上げたのがこの作品です。私も好きで、たびたび読み返しています。
さて、橋本さんはつい先月にTwitterアカウントを開設したようです。そしてこのたび、今の藤井聡太ブームを目の当たりにした、彼自身の心情を綴ったコラムが公開されました。
ねとらぼアンサーにて藤井聡太さんに関するコラムを書かせていただきました。「サラの柔らかな香車」の最初のほうのような文体です。連載!ということなのでよろしくお願いします。
— 橋本長道 (@ChodoHashi) 2018年2月9日
ねとらぼアンサーでは後日将棋と抱き合わせで提案した「読書」に関するコラムも出ます。https://t.co/UImKEVOKr7
藤井五段について書かれたコラムはたくさんありますが、元奨励会員の作家によるものとなれば、まさに唯一無二です。その内容も切ない文章も、将棋ファンは必見と言えるでしょう。
アニメ『ポプテピピック』最新話でガッツリ将棋をやっていた件
話題のアニメ『ポプテピピック』で、将棋が扱われるのではないかと予想する記事を先日書きました。
そして昨日の深夜、最新話の第6話が放映されました。ニコニコ動画でも同時に配信開始されています。
結論から言うと、想像以上にガッツリ将棋をしていました。何しろサブタイトルも「第30期電脳戦」です。
詳しい内容は実際に見ていただくとして、とても楽しめました。放送後には本作の監督をされている方が、作り手の苦労が垣間見えるツイートをしていました。
マンガやアニメの作中に登場する棋譜はプロ棋士の先生に監修・協力して頂く事が多いと思いますが、個人的にこのようなクソアニメに関わらせてご迷惑をかけてはいけないと思い、先述のソフトの力を借りて一人で棋譜を作りました。
— 青木純 (@aokijun) 2018年2月10日
ともあれ、将棋ファンにとっては嬉しいことでした。見逃した方もニコニコ動画では1週間無料なので、ぜひご覧になってみてください。
藤井聡太五段の「抜群の成績による昇段」はあり得るか
2月8日、藤井聡太五段は棋王戦予選にて牧野光則五段との対局に勝利しました。この勝利で2017年度の成績は以下のようになっています。
- 53勝11敗
- 対局数ランキング:1位
- 勝数ランキング:1位
- 勝率ランキング(30局以上):1位 ※0.828
- 連勝ランキング:1位
というわけで、4部門でトップです。
4月頭に発表される将棋大賞の記録部門で、最多対局賞、最多勝利賞、勝率1位賞、連勝賞が表彰されることになりますが、藤井五段には羽生善治竜王が達成して以来、史上2人目の全部門独占がかかっています。ちなみに羽生さん、1988年度、1989年度、1992年度、2000年度と4回も全部門独占を達成しています。バケモノ……。
※3月14日追記:将棋大賞制定以前の1969年度に、内藤國雄九段も4部門独占していたとのことです。
その羽生竜王に準決勝で挑む、朝日杯将棋オープン戦が間近に迫っています。この朝日杯で優勝したなら六段に昇段することを以前に書きましたが、実現の可能性は決して低くはなさそうです。
朝日杯で優勝するかしないかは、今はまだ神のみぞ知ることです。しかしここで朝日杯の結果とは別に、気になることが出てきました。
将棋連盟の昇段規定には、
「※抜群の成績を挙げた場合は、理事会にて審議の上、昇段を決定することがある。」
と明記されています。もしかしたら藤井五段にはこれが適用されるのではないか、ということです。
この例外的規定により昇段したことがあるのは、近年では2人います。
1人目は阿久津主税八段です。六段時代の2008年度、朝日杯将棋オープン戦で優勝し、「類まれなる成績」として七段に昇段しました。
2人目は菅井竜也王位です。四段時代の2011年度、大和証券杯ネット将棋・最強戦において優勝し、やはり「類まれなる成績」として五段に昇段しました。
では藤井五段が将棋大賞の記録部門で、全部門独占したなら?
十分に資格ありではないでしょうか。これに勝る「抜群の成績」はちょっと考えられませんし。
過剰な期待は禁物にしても、年度末に向けてもうひとつ楽しみが出てきたと思っています。
将棋ライトノベル『りゅうおうのおしごと!』で学ぶ英会話 ~第2巻~
先日、将棋ライトノベル『りゅうおうのおしごと!』英語版の第2巻が発売されました。それにともないキャンペーンも行われているようですね。
The Ryuo's Work is Never Done! Anime Campaign | BOOK☆WALKER
第1巻の発売時、英語ではあのセリフはどうなっているのだろうかという記事を書きました。
というわけで第2巻も、印象的なセリフの数々を取り上げたいと思います。
- 「打ち歩回避きもちいいです♡」
- 「あれぇ? でもこれ、どうして乗るところが三角形なんだろう? ねえ師匠、これ、乗ったらお尻が痛くなっちゃいますよね?」
- 「なるほどやはり小学生にしか興奮しないと」
- 「お好きでしょう? 小学生」
- 「弟子にはできないけど…………お嫁さんにしてあげるよっ!!」
- 「あいなんて裸で師匠に押し倒されたことがあるもんっ!!」
- 「ここで詰みがあったね」
- 「俺の籍に入ってくれ。きっと……幸せにするから」
- 「勘違いしないでよ――――八一(せんせい)!」
「打ち歩回避きもちいいです♡」
序盤の八一とあいの、詰将棋早解き対決にて。
"Dodging traps feels great♡"
Dodgingは巧みにかわすの意味。打ち歩詰めは単にtraps、つまり罠と訳されていました。確かに打っちゃうと反則負けになるので罠と言えますね。
「あれぇ? でもこれ、どうして乗るところが三角形なんだろう? ねえ師匠、これ、乗ったらお尻が痛くなっちゃいますよね?」
アニメでは丸々カットされてしまいましたが、SM作家の鬼沢談を訪ねるシーン(なぜか英語版はOnizakaとなっていました)。
"Huh, what's this, Master? It's all bumpy. And there's something weird sticking up at the bottom. What is this?"
三角木馬を見ての、あいの無邪気な感想。bumpyはでこぼこの、などの意味です。
「なるほどやはり小学生にしか興奮しないと」
将棋連盟職員、男鹿ささりとの会話。このあたりもアニメでは丸々カットされてしまいましたが。
"Now I see. So, it's true you only show interest in elementary school girls."
直訳すると「あなたが小学生の女の子だけに興味を示すのは本当です」となります。
「お好きでしょう? 小学生」
将棋連盟会長、月光聖市との会話。アニメでは冒頭の詰将棋からこのシーンに飛びましたが、あまり違和感はありませんでしたね。
"You like them, right? Elementary school girls."
right? は確認や同意を求める際に使う定型句です。
「弟子にはできないけど…………お嫁さんにしてあげるよっ!!」
JS研メンバーのシャルロット(6さい)に対しての、クズ竜王一世一代の宣言。
"I can't take you as an apprentice, but...... I can take you as a bride!!"
お嫁さんにするはtake you as a bride。これは比較的わかりやすい英語ですね。
「あいなんて裸で師匠に押し倒されたことがあるもんっ!!」
あいと天衣、ふたりのあいがついに対面。そして修羅場に!
"Master has pushed me down when I was naked before!"
押し倒すはpush one down。原文と違い八一が主語になっていますが、英語ではよくあることです。受動態よりもこのほうがシンプルですね。
「ここで詰みがあったね」
研修会試験、あいVS天衣は天衣の勝利に。しかし正しく指せばあいが勝っていたのです。第2巻屈指の名シーン。
"This move would have ended the match."
would have + 動詞の過去分詞で「(もしあの時~だったら)~したであろう」という意味です。This move、英語で指導するときは、この言い回しが使えそうです。
「俺の籍に入ってくれ。きっと……幸せにするから」
正式に天衣を弟子に取ることになった八一。シャルの時と違って、今度は真剣にプロポーズ(?)。
"Sign with me. I'll give you a good life...... I promise."
Sign with me。シンプルイズベストですね。
「勘違いしないでよ――――八一(せんせい)!」
定番のツンデレ台詞で、第2巻は幕を閉じます。佐倉綾音さんの声のおかげで、アニメだとさらに破壊力がありました。
"Don't get the wrong idea------Yaichi-sensei!"
Don't get the wrong idea、これはそのまま覚えてしまいましょう。