昔は駒台がなかったという話
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リアルで将棋を指すときに欠かせない駒台。実はこれ、近代に入ってからの発明ということをご存じでしょうか。
このことについては、十三世名人の関根金次郎が執筆した「駒台の発案者」という、そのものずばりなエッセイがあります。青空文庫で全文を読むことができます。
(中略)
――いまからざつと三四十年のむかしのことである。
ところで、現在つかはれてゐるやうな将棋の駒台を発明したのは、実はこの飯塚さんであつた。
飯塚さんが駒台を発案するまでは、高段者は半紙を四つに折つてその上に駒を置いてゐたものなのである。ところが、最初飯塚さんはお雛様にいろんなお供へものをするあの飾台からヒントを得て、さういふものがあつたならば、手でとるのにも便利だし、眼で見るのにもハツキリするといふところから、工夫に工夫をこらして、現在用ひられてゐるやうな形式にまで発展させ完成させたのであつた。
初出は1940年(昭和15年)の『棋道半世紀』。この時点から3、40年前ということですね。
現在連載中の、江戸時代を舞台にした将棋漫画『宗桂~飛翔の譜~』では、そのあたりの考証もしっかりしています。
「宗桂~飛翔の譜~」1話。ここおかしいんじゃ?ってツッコミを入れられそうな部分の釈明を。将棋盤の厚み、江戸時代には今ほど分厚くなかったそうです。あと、駒台が発明されたのは近代で、江戸時代には無かったそう。取った駒は直に床に置くか、ちゃんとした対局時の時は懐紙を敷いて置いたって。
— 星野泰視 江川と西本、宗桂~飛翔の譜 (@shinoyasushiho) 2018年8月11日
豆知識はあくまで豆知識なので、将棋を楽しむのに必要というわけではありませんが、やはり知っていると少し面白いものです。