天才とは何よりも量である。加藤一二三九段の詰将棋制作60年の集大成が刊行
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詰将棋本は毎月さまざまなタイプのものが発売されていますが、ひときわ注目を浴びそうなのがこの本です。
トレカ付き予約、開始しました!
— 将棋情報局編集部 (@mynavi_shogi) September 17, 2019
『直感精読 加藤一二三の詰将棋』【予約限定トレカ&棋譜データ付き】加藤先生が19歳から79歳まで60年(!)にわたって月刊誌『家の光』で連載された詰将棋を書籍化したものです。|将棋情報局 #将棋情報局 https://t.co/tRJclHTe2f
JAグループ(農協)系列が刊行する月刊誌『家の光』にて、加藤一二三九段が60年間にわたり休まず連載してきた詰将棋コーナーから収録した詰将棋本です。
「天才とは、何よりも量である」
故・栗本薫氏*1を評して、文芸評論家の福田和也氏が著書『作家の値うち』の中でこう言っています。汲めども汲めども尽きないアイディア、それを出力し続けられるエネルギー、それこそが天才の証だというわけです。羽生善治九段も「才能とは続けられること」といろんなところで語っていますね。
同じ雑誌で60年間休まず詰将棋の出題を続けていた加藤九段も、まあ今さらではありますが、天才と呼んでしかるべきなのです。
さて、ちょっと興味が湧いたので『家の光』に初めて加藤九段の詰将棋が掲載された号を入手しました。
メルカリにはこんなものまで出品されてるから侮れません。
1959年(昭和34年)の9月号。それまでは渡辺東一名誉九段が出題されていたそうです。
加藤九段が1958年(昭和33年)、18歳にしてA級八段に昇ったことはあまりに有名ですが、やはり知名度が抜群に増したこの頃から、詰将棋の依頼がよく舞い込むようになったのでしょう。この年には週刊明星でも詰将棋を掲載していました。
こちらはヤフオクで入手。
とにもかくにも、60年です。私はまだその2/3も生きてはいません。想像を絶する継続力に、あらためて感嘆します。
発売は来月の10月25日、心待ちにしたいと思います。
*1:世界最長の小説シリーズ『グイン・サーガ』が有名