Arai Koh's Shogi Life

将棋ライター・アライコウのブログです。将棋について書いていきます。

羽生善治竜王、早指し棋戦で(だいたいいつもどおり)若手を寄せ付けず!

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 本日放映されたNHK杯テレビ将棋トーナメントに、将棋界の第一人者である羽生善治竜王が登場しました。相手は期待の若手のひとり髙野智史四段でしたが、危なげなく勝利。貫禄を示しました。

NHK杯テレビ将棋トーナメント|NHK囲碁と将棋

 先日放映された銀河戦では、決勝トーナメント第1回戦で黒沢怜生五段と対局。細い攻めを超一流のテクニックで繋ぎ、振り飛車党期待の星を完封しています。CS放送を契約していない方も多いと思いますが、棋譜は公開されています。この攻めは本当にすごかった。

銀河戦 | 将棋 | 囲碁・将棋チャンネル

 そして早指し棋戦といえば、「AbemaTVトーナメント」が非公式戦ながら公式戦と同等以上の盛り上がりを見せています。先週も発案者である羽生竜王が登場しましたが、やはり有望な若手である佐々木大地四段相手に2戦2勝し、準決勝に進出しています。

 NHK杯は通算10回の優勝(史上唯一の名誉NHK杯選手権者)、銀河戦は通算7回の優勝。羽生竜王のすごさが語られる際は、まず通算タイトル数99期が挙げられますが、このように早指し棋戦の勝ちっぷりも外せません。
 天才の条件のひとつは「早指しに強いこと」であると、加藤一二三九段が『羽生善治論』で書いています。

羽生善治論 「天才」とは何か (角川oneテーマ21)

羽生善治論 「天才」とは何か (角川oneテーマ21)

 

 さらにこのようにも断言。

 もっとも強力な一手、最強の一手が、局面を見た瞬間に浮かんでくるものなのだ。こうした能力は努力したからといって身につくものではない。もって生まれた、並外れた素質としかいいようがない。(P25)

 読みの量と瞬発力では、本来若手のほうが有利のはず。それでいて最後には勝ちきるのですから、あらためて羽生竜王の強さがわかります。この先の戦いも楽しみですね。

大局観 自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21)

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