Arai Koh's Shogi Life

将棋ライター・アライコウのブログです。将棋について書いていきます。

升田の系譜を受け継ぐ者! 長谷部浩平四段が今月デビュー戦

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 新年度が始まって、早くも一ヶ月が経過しました。名人戦に叡王戦、王位戦の挑戦者決定リーグなど注目局が目白押しですが、個人的にはこの棋士に注目したいと思っています。

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 4月1日付けでデビューした、長谷部浩平四段。ちょうど最近誕生日を迎えた24歳で、栃木県出身です。
 これから長谷部四段を語る際には、この栃木県というワードが欠かせません。何しろ栃木県出身の棋士は故・永沢勝雄八段以来2人目で、戦後では初。実に81年ぶりの朗報に、地元の下野新聞は号外を出しています。今や栃木の星と言っても過言ではなさそう。

【電子号外】長谷部さん(宇大4年、小山)がプロ棋士に 栃木県出身者で戦後初|下野新聞「SOON」

 長谷部四段の師匠は、大平武洋六段です。大平六段はこれまで10人近く弟子を取りましたが、その中で長谷部四段が唯一プロ棋士になりました。Twitterやブログでは三段リーグを戦う彼を見守る様子がよく見られたのですが、ホッと一息というところでしょう。
 ところで長谷部四段、なぜ大平六段に弟子入りしたかというと、升田幸三に憧れているからと語っています。

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 四段昇段が決まったときの記事ですが、「升田名人の孫弟子だから大平六段にお願いした」とのこと。系譜をわかりやすく書くと、こうなります。

升田幸三⇒桐谷広人⇒大平武洋⇒長谷部浩平

 株主優待生活でおなじみの桐谷七段門下には、大平六段と今泉健司四段がいます。しかし大平六段はもう弟子は取らない予定とのこと。そして今泉四段は編入試験を経てようやくプロの座を射止めた苦労人、自分のことが第一で、弟子を取るということはおそらく考えておられないでしょう(少なくとも当分は)。
 つまり長谷部四段こそ、升田幸三の系譜を受け継ぐ最後の男というわけです。

 先日にはプロ入りを記念する祝賀会が開かれました。NHK宇都宮放送局のページでその様子が見られます。

www3.nhk.or.jp

「信手一生」実にカッコいいですね。
 居飛車力戦形が得意だという長谷部四段のデビュー戦は今月予定。楽しみに待ちたいと思います。

升田のごとく

升田のごとく