Arai Koh's Shogi Life

将棋ライター・アライコウのブログです。将棋について書いていきます。

将棋インストラクターになるには?

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 藤井聡太四段が起こしたブームで、将棋を覚えたい子供や子供に習わせたい親御さんが増えています。

 私がどうやって将棋を覚えたかといえば、定番ですが親から教わりました。うちには表がオセロ、裏が将棋のマグネット盤があり、兄弟ともしばしば指していました。しかし親も兄弟も初級者レベルだったので、駒の動かし方を覚えた程度。それ以上は上手くなりようもありませんでした。今は一番大好きな戦法である棒銀も知らなかったです。

 家の中だけで上手くなろうとしても、限界があります。では、効率的に上達するにはどうすればいいか? やはり将棋教室に通うことです。東西の将棋会館では子供向けの将棋スクールが開催されています。LPSAも各地で教室を開いていますね。他、プロ棋士が独自に将棋教室を持っていたりします。

 しかし、まだまだ足りない。将棋普及のためには、地域に根ざした将棋教室が、そして将棋インストラクターがもっと増えることが重要だと思います。

 もちろん将棋を教えるのに何の資格もいりはしないのですが、本格的に生徒を集めようと思うなら信頼されるような肩書きを持つのが効果的でしょう。そんな肩書きを得られる将棋インストラクターのなり方についてまとめました。

日本将棋連盟の「普及指導員」

 将棋連盟は1994年から、普及指導員という制度を設けています。現在、800名以上の人が活動しているとのこと。国内最大の団体である将棋連盟から認められたインストラクターということで、高い信頼が得られそうです。しかしその分、なるのはなかなか難しいです。

支部・指導員|日本将棋連盟

資格取得の条件

  • 三段(女性は二段)以上の免状取得者
  • 支部会員であること
  • 20歳以上であること
  • 棋士・指導棋士・女流棋士(日本将棋連盟所属)、棋道師範、棋道指導員、支部連合会会長、支部長(設立3年以上)いずれか1名の推薦が必要
  • 副推薦者1名が必要

 まず、高い棋力が求められます。段位取得の方法はいろいろありますが、とにかく三段(女性は二段)を取って将棋連盟に申請しなければなりません。
 支部会員というのは、各地にある連盟支部に加入しなければならないということです。最寄りに支部がない人は、個人会員でも大丈夫です。
 推薦者、副推薦者がそれぞれ1名ずつ必要というのが、一番難しいかも。コネがない人はどうすればいいのかと迷ってしまいそうです。しかしちゃんとした人に普及指導員になってもらうために必要なことなのでしょう。

受験の時期と会場

 普及指導員の資格審査は年に一度です。例年2月末に申し込みが締め切られ、3~4月に最終審査があります。平成29年は北海道、宮城、東京、愛知、大阪、福岡で行われました。

資格取得に必要な料金

  • 資格取得審査料:10,800円(税込・書類審査料込・最終審査料込)
  • 資格登録料:21,600円(税込・初回教材費込)
  • 将棋普及指導員年会費:10,000円(税込)

 少なくないお金が必要になります。免状取得の申請がこれからという人は、その分もかかります。こういうところでも本気度が求められそうです。

資格の特典

  1. 級位認定状及び三段までの免状を推薦できる
  2. 連盟公認の教室を開設できる
  3. 自治体、公共施設等への連盟の推薦状の発行を受けられる

 ハードルが高いだけに、普及指導員としてできることはかなり大きいです。特に免状推薦ができるのは、他にはない特典です。「将棋連盟公認」と掲げた教室は、注目度と信頼度がずいぶん違ってくるでしょう。3つめは公民館、児童館といった施設で教室を開きたい場合、連盟から推薦してもらうことができるということのようです。

LPSAの「公認インストラクター」

 LPSAは2016年から公認インストラクター制度を設けています。子供たちや女性を対象を中心とした将棋普及活動をしていただきたい――ということで、特に女性を歓迎しているようです。

日本女子プロ将棋協会|LPSA|

資格取得の条件

 まず、段位は必要ではありません。ここが将棋連盟の普及指導員と一番違うところ。級位者レベルでも教え上手になれるんですよというメッセージが伝わってくるようです。
 資格を取得するには、下記3研修をすべて修了し、3種の受講証明書と協会所属女流棋士の推薦書を添えて、登録申請書を提出します。

  • 教え方講座
  • インストラクター講習会
  • 入門講座アシスタント(実地研修)

 どうしたらよいインストラクターになれるかを一から教えてくれます。これも普及指導員との大きな違いですね。棋力と教える技術はまったく別物ですから、こうしたサポートはありがたいはず。
 研修期間は半年から2年と、受講者のペースに合わせて選べます。

研修の時期と会場

 時期は不定期で、会場は首都圏がメインのようです。

資格取得に必要な料金

  • 教え方講座受講料:3,000円(テキスト代、ペーパーテスト込み)
  • インストラクター講習会受講料:2,000円
  • 入門講座アシスタント(実地研修)受講料:なし
  • 登録料:10,000円
  • 会費:2年間で10,000円

 初期コストは普及指導員よりもだいぶ安いですね。負担が少ないのはいいことです。

資格の特典

  1. 協会公認インストラクター認定証の交付
  2. スターターセットの配布 ※新規登録者対象
  3. 協会グッズ割引(一部除外あり)
  4. インストラクター会議への無料参加
  5. 協会主催イベントの仕事の斡旋(教室、カルチャースクールなど)
  6. インストラクターが主宰する講座・教室におけるインストラクター資格名称の使用(協会の事前許可、事後報告が必要)
  7. インストラクターが主宰する講座・教室用に協会名記載の段級位認定証の発行(有料・希望者対象)
  8. インストラクターが主宰する大会における、協会名入りの賞状の交付

 LPSAの手厚いバックアップが受けられ、また会議や主催イベントに参加することができます。
 全体的に見ると、LPSAと一緒に女性の将棋をもっと盛り上げたい! そんな人には最適という印象です。

日本まなび将棋普及協会の「公認インストラクター」

 2015年に設立されたばかりの、女流棋士の高橋和さんが代表を務める日本まなび将棋普及協会。こちらでも公認インストラクターの資格を得られます。短期間・低費用で資格を取得できることを謳っているのが特徴です。

日本まなび将棋普及協会 - 日本まなび将棋普及協会・新しい将棋の資格と講座

資格取得の条件

「子どもたちに上手く伝わる将棋教え方講座」(まなび将棋公認インストラクター養成講座)を受講する、条件はこれだけです。

研修の時期と会場

 不定期に開催されています。会場は高橋さんが主催する、東京は吉祥寺の「将棋の森」。私も一度行ったことがありますが、とてもいい雰囲気のところです。
 講座はオンラインでも受講できます。地方に住む人にとっては助かりますね。ただし受講しただけで公認インストラクターとして活動することはできず、別途認定を受ける必要があります。

資格取得に必要な料金

  • 19,800 円(教材費・認定料を含む/税込)

 LPSAよりもさらにコストは低くなっています。年会費は現在無料となっています。

資格の特典

  1. 資格名を名刺やプロフィール、履歴書などに記載できる
  2. 教室に必要な教材(ワークブック)を購入して「まなび将棋教室」を開講できる
  3. 協会に将棋関連の講師・出演等の依頼があった場合に紹介可能
  4. 協会が主催する公認インストラクター向けイベント・研修会などに参加できる。
  5. その他公認インストラクターとしての活動に必要なアドバイスやサポートが受けられる

 このあたりはLPSAと似た感じでしょうか。

あなたに合った資格は?

 3つの資格、それぞれに特徴とメリットがあることをご紹介してきました。
 どれが一番いい、というのはないと思います。自分に合いそうだと思ったところの資格を取得するのがよいでしょう。
 ……なんてありきたりな結論では面白くないので、私はこのように考えてみました。

高い棋力を生かしたいなら普及指導員!

 将棋インストラクターは必ずしも棋力は必要ではありませんが、上手いに越したことはありません。基本を教えるだけでなく、自分と同じ二・三段くらいまでは育てたい――そう思うなら普及指導員が一番よいでしょう。
 そして将棋連盟という名前は、やはり他2つに比べて大きい。大いに宣伝に役立つはずです。

級位者でもインストラクターになりたい女性はLPSA!

 LPSAは女流棋士の団体なので、同じ女性のインストラクターを増やしたいと願っているはずです。きっと親身になってサポートしてくれるでしょう。段位が必要ないことを生かしての初心者オンリーの教室など、さまざまなスタイルが考えられそうです。
 もちろん男性でも、LPSAの雰囲気がよさそうと感じたら、検討してみるといいと思います。

すぐに資格を得たいなら日本まなび将棋普及協会!

 短期間・低費用で資格を取得できる。日本まなび将棋普及協会のメリットは何よりもこれです。
 資格取得のための講座は頻繁に開催されており、次回は12月3日です。さらに地方在住でもオンライン講座を受講すればOK!

 

 私も将来的には、将棋インストラクターの資格を持ちたいと思っています。どれがいいか、今も検討中です。