VHS再生環境を導入! 不要な将棋ビデオぜひお譲りください
先日、VHSビデオデッキをネットオークションで購入しました。
10代や20代前半の人だと、なんじゃそれってな感じでしょうかね。
Blu-rayが標準のこの時代に、なぜ今さらこんな古いものを導入したかというと、もちろん趣味のためですが、今後仕事で必要になるかもと思ったからです。
将棋のビデオはこれまでいろいろ発売されていますが、未DVD化がほとんどだと思います。たとえば将棋ペンクラブログでも紹介されたことのある『天才 羽生善治 激戦対局集』。
第2巻には「第38期NHK杯戦/対 加藤一二三九段」とありますね。そう、伝説の▲5二銀が出た、あの対局です。
この手についてはいろんなところで語られているのですが、羽生さん自身が映像に残る形で何かを語ったり解説したりというのは、結構貴重なのではないでしょうか。なのでいずれは手に入れたいと思っています。
ところで将棋ファンのご家庭には、昔に録画した将棋番組のビデオがまだ眠っているということがあるかもしれません。
もしそれらが不要という方がいらっしゃったら、ぜひお譲りいただけないでしょうか? 着払いで引き取らせていただきます。「もう再生環境がないからちゃんと映るかどうかわからない」というものでも結構です。ただし明らかにケースやフィルムが壊れている、カビが生えているといったものはご遠慮ください。
詳しくはプロフィールページからご連絡ください。よろしくお願いします。
折田翔吾アマ、ついに連勝ストップ。プロ編入試験への展望は
【前回の記事】折田翔吾アマ、銀河戦で7連勝! プロ編入試験の条件がもうひとつくらいあってもいいのでは?
16日に放映された第27期銀河戦本戦Aブロック8回戦、野月浩貴八段vs折田翔吾アマは、野月八段が勝利しました。
アマチュアながら怒濤の快進撃をしていた折田アマでしたが、ついに連勝ストップです。しかし棋譜を見てみると素晴らしい熱戦で、互角の戦いをしていたと言っていいと思います。
これで折田アマは対プロ成績が、もっとも良いところから見て7勝1敗(○○○○○○○●)となっています。
気になるプロ編入試験への道のりですが、受験資格の条件は【もっとも良いところから見て10勝以上、なおかつ6割5分以上】、10勝5敗(0.667)を挙げればいいのです。
まずは出場決定している銀河戦の決勝トーナメントです。ここであと3勝を積み重ねれば……つまりは決勝進出という高すぎる壁なのですが、10勝目を挙げることで規定の成績を満たすことができます。
銀河戦を敗退しても、3勝を挙げるまでに4敗まではしてもいい計算です。他のアマ大会で優秀な成績を収めて、アマチュア枠のある公式戦に出場し、再び勝ち星を重ねる……ここまでの快進撃を見るに、折田さんなら可能性は十分に思えますね。
ちなみにもうひとり、プロ相手に4連勝をしていたGブロックの木村孝太郎アマですが、こちらも決勝トーナメント進出の可能性は残っています。
Gブロックは現在、増田康宏六段が3連勝中です。仮に次戦で増田六段が敗れれば、Gブロックの最多連勝者は木村さんに確定します。増田六段がブロックの最後まで勝ち続けた場合も、最終勝ち残り者と最多連勝者は重複しませんので、木村さんが最多連勝者として決勝トーナメントに出場します。
かつてないほどアマチュアが活躍している現在の将棋界。令和になってからも、彼らがいっそう楽しませてくれそうです。
『めっちゃ将棋指してた幼馴染が女の子だったみたいな話』がKindleに登場!
以前も記事にしたせいほうけい(@sehoke_p)さんのTwitter将棋ラブコメ漫画『めっちゃ将棋指してた幼馴染が女の子だったみたいな話』が、このたびKindleでもリリースされました。
本作は大きな評判を集めており、定期的に新作がアップされていたのですが、Twitterでまとめ読みするには不便だろうから、ということです。
Kindleには「Kindleインディーズマンガ」というシステムがあります。読者は無料で読めるのですが、たくさん読まれれば作者には奨励金が支払われるという仕組みなのです。さっそくランキング入りするなど、むしろ将棋ファン以外に好評を博しているようです。
この評判が続けば、いずれ本格的な商業展開も……なんて想像してしまいますね。しかし今はマイペースで描き続けていただきたいものです。
プロ棋士名鑑の表紙にアイドルを起用? その狙いはわかるけれど
近年、プロ棋士名鑑が各出版社から出ています。昨年は扶桑社とコスミック出版から出版されました。
そして今年も扶桑社から2019年度版が近日に発売される予定なのですが……その表紙がいろんな意味で話題になっています。
人気アイドルグループ・SKE48の鎌田菜月さんです。鎌田さんはここ数年で将棋に興味を持ったそうで、これまでにもいくつかの将棋番組に出演した経験があります。先日将棋フォーカスを卒業した伊藤かりんさんと並ぶ将棋好きアイドルとして、徐々に注目を集めています。
しかし、だからといってプロ棋士名鑑の表紙というのはいかがなものでしょうか……。
プロ野球や相撲など、スポーツでも選手名鑑は多く出ていますが、アイドルが表紙を飾ったというのはおそらく例はないでしょう。
将棋ファン以外への訴求の狙いがある、というのはもちろんわかります。現にSNSでは多くのSKEファンが話題にしているようです。
そもそも将棋連盟公式・公認の刊行物ではないわけですから、どのように作ろうが自由なのですが……やっぱり普通に棋士を表紙にしましょうよ、とは言いたくなります。プロ棋士名鑑なんですから。
なお、本記事は鎌田さん個人の批判ではないことをお断りしておきます。
要注目! 将棋ミステリー『千里の棋譜』の制作スタッフ募集中
多くの将棋ファンの好評を博している将棋ミステリー『千里の棋譜』ですが、作者さんからこんな告知がされました。
将棋ミステリー「千里の棋譜」の制作スタッフ募集中です。今回は沢山の棋士に参加頂きます。
— Mysta/MMORPG制作中 (@dollq) 2019年4月10日
1、棋譜や詰将棋などの棋譜データ入力作業
時給1000円(自宅作業可) ▲7六歩などが分かる方
2、将棋教室の原稿や将棋界の説明文の執筆(待遇は内容により応相談)
詳細はDM(誰でも送信可)にお気軽に!
新章を開発中であることは以前から発表されていましたが、いよいよ本格的に動きそうですね。
将棋ファンはもちろん、ゲーム制作に関心のある方にもおすすめの案件です。こういう小さな仕事からコツコツ始めてみるとよいでしょう。
昔は駒台がなかったという話
リアルで将棋を指すときに欠かせない駒台。実はこれ、近代に入ってからの発明ということをご存じでしょうか。
このことについては、十三世名人の関根金次郎が執筆した「駒台の発案者」という、そのものずばりなエッセイがあります。青空文庫で全文を読むことができます。
(中略)
――いまからざつと三四十年のむかしのことである。
ところで、現在つかはれてゐるやうな将棋の駒台を発明したのは、実はこの飯塚さんであつた。
飯塚さんが駒台を発案するまでは、高段者は半紙を四つに折つてその上に駒を置いてゐたものなのである。ところが、最初飯塚さんはお雛様にいろんなお供へものをするあの飾台からヒントを得て、さういふものがあつたならば、手でとるのにも便利だし、眼で見るのにもハツキリするといふところから、工夫に工夫をこらして、現在用ひられてゐるやうな形式にまで発展させ完成させたのであつた。
初出は1940年(昭和15年)の『棋道半世紀』。この時点から3、40年前ということですね。
現在連載中の、江戸時代を舞台にした将棋漫画『宗桂~飛翔の譜~』では、そのあたりの考証もしっかりしています。
「宗桂~飛翔の譜~」1話。ここおかしいんじゃ?ってツッコミを入れられそうな部分の釈明を。将棋盤の厚み、江戸時代には今ほど分厚くなかったそうです。あと、駒台が発明されたのは近代で、江戸時代には無かったそう。取った駒は直に床に置くか、ちゃんとした対局時の時は懐紙を敷いて置いたって。
— 星野泰視 江川と西本、宗桂~飛翔の譜 (@shinoyasushiho) 2018年8月11日
豆知識はあくまで豆知識なので、将棋を楽しむのに必要というわけではありませんが、やはり知っていると少し面白いものです。
なぜ? 加藤桃子女流三段のタイトル獲得歴が棋士データベースに未掲載
奨励会を退会し、今年度から女流棋士に転身した加藤桃子女流三段には、多くの将棋ファンが熱い視線を送っています。
加藤桃子奨励会初段が4月より女流三段に|将棋ニュース|日本将棋連盟
何と言っても奨励会員時代、マイナビ女子オープンと女流王座戦において計8期のタイトル獲得歴があります。最強女流棋士の座に君臨する里見香奈女流四冠の、最有力対抗馬のひとりに間違いありません。
また【女性の奨励会員が奨励会2級以上で退会した場合、退会時の段級位で女流棋士になれる】という規約があります。加藤さんは本来ならば女流初段なのですが、多数のタイトル実績が考慮され、女流三段からのスタートとなりました。
新たな一歩を踏み出した加藤さんですが、記事執筆時点でいささか不可解なことがあります。それは加藤さんの棋士データベースに、これまでのタイトル獲得歴が掲載されていないことです。新年度になってもう数日経つわけですから、忙しくて更新できていないということはないでしょう。
奨励会員時代の記録だからと、今後も載せないつもりなのでしょうか。いやまさか……。
女流棋士は【女流四段以上またはタイトル獲得経験者】に将棋連盟正会員の資格が与えられていますが、加藤さんがどうなっているのか不明です。いきなりの女流三段スタートが異例だったこともあり、将棋連盟は加藤さんの今後の扱いについてまだ議論中なのかもしれません。
ともあれ今後公式で何か発表があれば、この記事に追記したいと思います。
※2019/04/26追記
タイトル獲得歴が記載されていることを確認しました。
加藤一二三九段、令和生まれの棋士との対局を熱望!
先日発表された新元号の令和。このニュースには棋士たちもさまざまな反応をしていましたが、誰よりも強烈なインパクトを残したのはこの方でした。
わたくしは19世紀、20世紀、21世紀生まれの棋士との対戦経験のある唯一無二の棋士ですので、即ち、明治、大正、昭和、平成生まれの棋士とは公式戦での対戦経験がありますが、ぜひ次は、令和生まれの棋士と、非公式戦にはなりますが対戦してみたいですね!90歳超のその時が今から楽しみでなりません!
— 加藤一二三@4/2仙台白百合女子大学入学式講演『希望を持って生きる』 (@hifumikato) 2019年4月1日
加藤一二三九段はこのツイートの通り、19世紀、20世紀、21世紀生まれの棋士たちとの公式戦での対局経験があります。
- 19世紀生まれ:村上真一八段(1897年生まれ)と野村慶虎七段(1899年生まれ)
- 20世紀生まれ:多数
- 21世紀生まれ:藤井聡太七段(2002年生まれ)
言うまでもなく空前絶後の記録ですが、さらに令和生まれの棋士との対局も熱望しているのです! 加藤九段の将棋への情熱は、本当に衰え知らずですね。
お隣の囲碁界には、90代の現役棋士もいます。非公式戦になりますが、加藤九段と令和生まれの棋士との対局も、決して夢物語ではないでしょう。ぜひ実現してほしいものです。
新元号は令和。ところで将棋は二人零和有限確定完全情報ゲーム
日本全国が注目していた新元号、「令和」に決まりました。
元号に関してはいろいろな意見がありますが、日本独自の文化という観点からすると、やはりなくてはならないものだなと思っています。他ならぬ将棋も「昭和の棋士」「平成の将棋界」といったくくりで語ることが多いですからね。
ところで将棋は、専門用語で「二人零和有限確定完全情報ゲーム」というものに分類されるのをご存じでしょうか。
ざっくり言うと「先手必勝か後手必勝か引き分けか、理論的には判明している」というものです。双方のプレーヤーが最善手を指せば、このいずれかになるというゲーム理論です。たとえば「どうぶつしょうぎ」は後手の必勝であることがわかっています。
先手必勝か後手必勝か引き分けか――将棋もいつか判明するのか? といえば疑問です。将棋の可能性は、現代のスーパーコンピュータが何万年計算しても終わらないほど膨大です。既存の概念を覆す、それこそSF的な技術でも開発されないかぎり無理でしょう。
そんな膨大な可能性に、己が頭脳ひとつで立ち向かうのが将棋の面白さ。
というわけで新年度も楽しませてもらいましょう!
間もなく閉店のみろく庵、激混みすぎる件
すでに多くの将棋ファンに知られているように、千駄ヶ谷の食事処「みろく庵」が今月末で閉店します。
何十年も前から地元に愛されていた店ですが、ネット将棋中継が始まって以降、多くの棋士がこの店のメニューを注文することが知られるようになりました。そして近年の藤井聡太ブームにより、一躍脚光を浴びるようになったのです。私も何度か行ったことがありますが、アットホームでとてもいい店です。
で、閉店の前にもう一度行こう……と思っていたのですが、ちょっと難しそうだとタジタジしているところです。実際に行った方のTwitterを引用させていただきます。
【みろく庵】
— 将棋カウンセラー (@osiete_shogi) 2019年3月29日
1時間並んでますが列は全く動いてません
(7~80人待ち) pic.twitter.com/VMEIFxl47w
1時間待っても全然動かない列というのは、ちょっと予想以上でした。夜は夜で、とっくに予約客でいっぱいとのことです。
こうなっては食事をするのはあきらめようかと思っていますが、閉店の瞬間に店の前に行って、感謝の気持ちとともにその終わりをこの目に焼き付けたいと考えている次第。閉店まで、あと2日です。