Arai Koh's Shogi Life

将棋ライター・アライコウのブログです。将棋について書いていきます。

目指すは6割の勝利。三浦弘行九段の強き覚悟

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 本日、囲碁・将棋チャンネルの「月刊竜王戦8月号」に三浦弘行九段がゲストで登場します(再放送あり)。

 三浦九段は現在、竜王戦決勝トーナメントのベスト4に残っており、今後に向けての意気込みが聞けるのでしょう。
 A級順位戦は白星スタートで、先日には王将戦で同じA級の稲葉陽八段を接戦の末に下し、二次予選の一回戦を突破しています。今年度は9勝4敗(0.6923)と7割近い勝率で、絶好調と言っても差し支えないでしょう。

 ご存じのように三浦九段は、2016年に竜王戦七番勝負への挑戦が決まった直後、将棋ソフトを不正使用したとの嫌疑をかけられ、公式戦出場停止処分に。
 その後に冤罪であることが確定したのですが、竜王戦という最高の舞台への登場の機会を奪われた上、長いブランクを余儀なくされたダメージは計り知れず、復帰後しばらくの成績は振るいませんでした。特に2017年の竜王戦は2組に降級してしまいます。
 また順位戦は「張出11位でA級を維持」という措置が取られたとはいえ、最下位の戦いはあまりに厳しいものがありました。

 しかしその順位戦、最終局で冤罪事件の発端を作った渡辺明棋王に勝利。劇的なA級残留を果たします。そして今、竜王戦2組での優勝を経て、決勝トーナメントを勝ち進んでいます。

 先日、毎日新聞に三浦九段のコメントが掲載されました。

mainichi.jp

「具体的には年間勝率がトータルで6割を超えることを目標にしていました」

 年間勝率が6割超えというのは、まるで昇り調子の20代が掲げるような数字です。現に羽生善治竜王でさえ、2016年度、2017年度と2年連続で6割には達していないのです。有力な若手がどんどん出てくる中、いかに困難な数字か……。

 しかしそれを実現するかもしれないという強さが、今の三浦九段には感じられます。まずは来週7月30日の竜王戦決勝トーナメント、対深浦康市九段戦で熱戦を期待しましょう。

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