名著『瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか』が文庫で復刻
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瀬川晶司五段の自伝が原作の映画『泣き虫しょったんの奇跡』、関係者向けの試写会では大好評のようですね。9月7日(金)から一般公開ですが、待ち遠しいかぎり。
\本ビジュアル解禁!🎬/
— 映画『泣き虫しょったんの奇跡」 (@ShottannMovie) 2018年7月1日
『 #泣き虫しょったんの奇跡 』🍀
本ビジュアルが解禁されました!!
そして #松田龍平 さん演じるしょったんの夢を支える新たな豪華キャストも発表✨
2018年9月7日(金)より公開です!
続報もお楽しみに!! pic.twitter.com/IHVamQsXz6
瀬川さんのプロ入りは、将棋の歴史上特筆される出来事でした。いくつかの関連本が出版され、もっとも知られるのが『泣き虫しょったんの奇跡』であるわけですが、これに勝るとも劣らない良書があります。
古田靖さんの『瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか』。
僕の知らなかった「真実」がここにある
とあるように、プロ編入試験の裏側――この大問題に直面した日本将棋連盟がいかに混乱し、苦慮し、試験開催を決定したか。そして夢の実現のために瀬川さんの支援者がどれほど奔走したかを克明に記したノンフィクションです。
戦前に特例でプロ入りした元真剣師・花村元司九段の例がありますが、これは時代が違いすぎます。瀬川さんのプロ編入嘆願は何もかも初めてづくしでした。棋士の間でも議論が紛糾、その様子がめっぽう面白い。個人的に一番感じ入った一文があります。
自ら理事になる道を選ばず、口先だけで介入してくる棋士がなぜこれほど多いのか。森下は理事になったことを後悔すらしていた。(P151)
森下とは森下卓九段のことです。現在将棋連盟の理事ですが、当時もこの問題で最前線に立っていました。当時の将棋連盟の閉鎖性や経営問題も絡めた描写は、最近将棋に興味を持ったばかりのライトなファンには、いささか刺激が強いかもと思わされるほどです。しかし繰り返しになりますがとても面白く、グイグイ読ませます。
あまり詳しく書くとご迷惑になるのでこのへんにしますが、この隠れた名著ともいうべき本が、映画の公開に合わせてでしょう、文庫で復刻することになりました。
2006年刊の拙著『瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか』が、その後を加筆・改題した河出文庫『奇跡の六番勝負 サラリーマンがプロ棋士になった日』(Amazon予約 https://t.co/tNQUzCTbZt )として8月7日に復活します。ぜひ宜しくお願いします!詳細ページ(河出書房新社) https://t.co/PLxTZl1TfR
— 古田靖 (@tekigi) 2018年7月2日
発売は8月。脚本協力ともなった本書を、未読の人はぜひ映画公開の前に手に取ってみることをおすすめします。加筆されているとのことなので、単行本を持っている人にとっても読む価値がありそうです。
奇跡の六番勝負: サラリーマンがプロ棋士になった日 (河出文庫 ふ 17-1)
- 作者: 古田靖
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2018/08/04
- メディア: 文庫
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