山本一成さんの『人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?』が将棋ペンクラブ大賞の文芸部門にノミネート
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優れた将棋関係の著作、書籍等に授賞する将棋ペンクラブ大賞は、今年で記念すべき第30回を迎えます。本日、その最終候補作が発表されました。
将棋ペンクラブ大賞最終選考候補作(第30回) https://t.co/G3nJuI2M5O
— 将棋ペンクラブログ (@shogipenclublog) 2018年6月18日
私がいつも注目しているのは文芸部門です。ノンフィクションもあれば将棋小説もあり、一昨年はライトノベル『りゅうおうのおしごと!』が優秀賞に輝きました。優れた作品であれば媒体は不問という、懐の深さを感じさせます。
そして今年も意外な作品が文芸部門にノミネートされていました。それが山本一成さんの『人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?』です。
山本さんは将棋ファンにはご存じ、最強将棋ソフトとしてプロ棋士相手に無敗を誇った『Ponanza』の作者です。その開発を通じて得た知見や、そもそも人工知能とは何かということを、惜しみなく、そしてきわめてわかりやすく記述しています。私も確か発売してすぐ注文したのですが、これほど平易な人工知能入門はないだろうと思わせるほどです。
これは厳密には将棋の本ではありません。もちろん将棋関係の記述も少なくありませんが、あくまで人工知能について書かれた本です。
にもかかわらず今回、将棋ペンクラブ大賞の文芸部門にノミネートされたというのは快挙でしょう。山本さんがもっとも力を注いできた将棋ソフト、そこから見えてきた人工知能の世界というテーマは、まさに新規性に満ちた物語、万人に響くノンフィクションだと、審査員が認めたということなのだと思います。
まだ未読の方は、ぜひこの機会に読んでみてはいかがでしょうか。
人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質
- 作者: 山本一成
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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