Arai Koh's Shogi Life

将棋ライター・アライコウのブログです。将棋について書いていきます。

佐藤慎一五段がNHK杯で森内俊之九段に挑んだ「極限早繰り銀」とは?

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 本日放映されたNHK杯テレビ将棋トーナメント、森内俊之九段が佐藤慎一五段を破り、2回戦進出を決めました。

 両者はこれが初手合いでした。永世名人の有資格者であり、居飛車の大家である森内九段を相手にして、佐藤五段はインタビューの段階でちょっと緊張気味に思えましたね。

 さて、今回の佐藤五段の戦法は銀を4六の位置に進める「早繰り銀」でした。それも初手▲2六歩から▲2五歩と突いておく、従来のプロの将棋では「形を決めすぎて損」とも言われる序盤。
 実はこれは「極限早繰り銀」と呼ばれる戦法で、佐藤五段自身が戦術書を出版しています。しかも相当売れているとのこと。

 この戦法の骨子は、玉の囲いはそこそこに、3三に上がった相手の角頭を狙うというもの。現代将棋らしい超速攻なのです。

 なぜ佐藤五段はこの戦法を選んだのか――大先輩である森内九段を相手にぶつけてみたかったということもあるでしょうし、視聴者にこの新しい戦法をアピールしたかったということもあるでしょう(解説を務めた阿久津主税八段は「棋書の宣伝」みたいなことを言っていました)。

 対局は敗れはしましたが、アマチュアにも覚えやすい、面白い戦法には違いありません。極限早繰り銀とは何か、将棋ファンにも充分に伝わったのではないかと思います。
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