Arai Koh's Shogi Life

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曖昧だった順位戦の昇降級規定、ようやく明文化される

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 名人戦七番勝負が絶賛進行中ですが、今年度の順位戦の組み合わせ表が発表されました。

www.shogi.or.jp

 さて、前期のA級順位戦で、前代未聞の6者プレーオフに突入したことは記憶に新しいところです。これは一種の事件でした。
 そしてこの事件が浮き彫りにしたことがありました。それは順位戦の昇降級について、明文化されていない事項がいくつかあったということです。

  • 指し分けは降級しない
  • 全勝すれば順位にかかわらず昇級できる

 特に将棋ファンが関心があったのはこの2点です。将棋ライターの松本博文さんがベテラン観戦記者の東公平さんに尋ねたところ、こんな返事があったそうです。

 かつて将棋連盟に勤めていた方も、明文化はされていないけどそういうことになっている、という証言をされています。

 本来、A級は10名の総当たりのため指し分けはありえないのですが、前期は冤罪事件から復帰した三浦弘行九段のA級地位保全措置により、11名で行われていました。そして降級枠3名のうち、指し分けで終わる棋士が出る可能性がありました。実際はそうならなかったのですが、これを機に規定の不備を指摘する声が内外から続出したわけです。

 

 前置きが少し長くなりましたが、上記の点を含む順位戦の規定について、このたび(26日から?)大幅に追記されたようです。

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 まず「順位・昇級・降級・降級点」の部分。

  • 指し分け以上の成績でも降級枠(降級点枠)に該当する場合は、降級となります(降級点がつきます)。

 次にB級2組、C級1組、C級2組について、この規定が追記されました。

  • 【B級2組】成績上位者2名の棋士はB級1組に昇級します。ただし、リーグ戦成績の全勝者が3名以上いる場合は、全勝者全員が昇級します。
  • 【C級1組】成績上位者2名の棋士はB級2組に昇級します。ただし、リーグ戦成績の全勝者が3名以上いる場合は、全勝者全員が昇級します。
  • 【C級2組】成績上位者3名の棋士はC級1組に昇級します。ただし、リーグ戦成績の全勝者が4名以上いる場合は、全勝者全員が昇級します。

 このように明文化されたのは、やはりよいことだと思います。
 たとえば藤井聡太六段は、C級1組に新しく入ったため、順位がかなり下です。そのため今期も全勝で終えたとして、上の順位に全勝者が2名以上いたら、昇級できないということもありえたわけです。これは将棋ファンのみならず、世間からもおかしいという声が殺到するでしょう。

 少なくとも昇降級に関しては、もう規定の不備はないと見ていいのかなと思いますが、おそらく他にも明文化すべき事項はあるのでしょう。今後も将棋ファンのために、そして実際に戦う棋士自身のために、柔軟に規定の見直しをしていただきたいと思います。

将棋順位戦30年史 1984~1997年編

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