Arai Koh's Shogi Life

将棋ライター・アライコウのブログです。将棋について書いていきます。

藤井聡太六段の師匠、杉本昌隆七段の実力とは?

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 3月1日、藤井聡太六段は竜王戦5組ランキング戦において、阿部隆八段に勝利しました。これで13連勝で、去年の29連勝と合わせて今年度の連勝部門のワンツーフィニッシュが確定しました(なお、同率2位に永瀬拓矢七段がいます)。

 今回も危ない局面はありませんでした。阿部八段はかつて竜王戦に挑戦し、当時の羽生善治竜王相手に奪取目前まで迫ったことのある、ベテランの中でもまぎれもない実力者のひとりですが、「ずっと苦しかった。いいところがひとつもなかった。完敗でした」と言わしめるほど。この5組ランキング戦であと2つ勝てば、七段昇段することも報道されだしていますね。↓の記事を書いたのは1月でしたが、かなり可能性が高くなりました。

araishogi.hatenablog.com

 さて、次戦は3月8日(木)の王将戦一次予選。相手は師匠である杉本昌隆七段ということで、さらにマスコミの注目が集まりそうです。
 公式戦では初対局になりますが、これまで重ねてきた練習将棋では、杉本七段の勝率は2割ほどだそうです。

杉本七段 愛弟子との対局へ「勝てないと思われるのもしゃく」― スポニチ Sponichi Annex 芸能

 しかしプロの実力は、常に紙一重です。下馬評では圧倒的に有利だった有望な若手をベテランが破る、そんな光景は当たり前のようにあります。
 というわけで杉本七段の棋歴を、あらためておさらいしてみようと思いました。

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 デビューしたのは1990年。1995年に五段、2000年に六段、2006年に七段となっており、すべて勝数規定での昇段です。
 順位戦の最高クラスはB級1組。2008年度はもう一歩でA級に昇級できるところでした。
 竜王戦では順位戦以上の好成績を収めています。2003年度2004年度には決勝トーナメントに進出しています。最高クラスの1組に8期在籍、現在は2組です。
 一般棋戦では2001年、朝日オープン将棋選手権(先日藤井六段が優勝した朝日杯将棋オープン戦の前身)で、準優勝しています。森内俊之八段(当時)や中原誠永世十段といった強豪を破っての決勝進出でした。

 輝かしい実績はないものの、やはり杉本七段も力のあるベテラン。そう言っていいと思います。

 将棋界では師匠に勝つことを「恩返し」と言います。これだけ強くなりました、と勝利で伝えるわけですが、もちろん師匠の側も本音では負けたくないに決まっています。
 杉本七段は振り飛車党なので、白熱した対抗型が展開しそうです。練習将棋とは違う、ベテランの底力が見られるのではないでしょうか。

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