藤井聡太五段の「抜群の成績による昇段」はあり得るか
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2月8日、藤井聡太五段は棋王戦予選にて牧野光則五段との対局に勝利しました。この勝利で2017年度の成績は以下のようになっています。
- 53勝11敗
- 対局数ランキング:1位
- 勝数ランキング:1位
- 勝率ランキング(30局以上):1位 ※0.828
- 連勝ランキング:1位
というわけで、4部門でトップです。
4月頭に発表される将棋大賞の記録部門で、最多対局賞、最多勝利賞、勝率1位賞、連勝賞が表彰されることになりますが、藤井五段には羽生善治竜王が達成して以来、史上2人目の全部門独占がかかっています。ちなみに羽生さん、1988年度、1989年度、1992年度、2000年度と4回も全部門独占を達成しています。バケモノ……。
※3月14日追記:将棋大賞制定以前の1969年度に、内藤國雄九段も4部門独占していたとのことです。
その羽生竜王に準決勝で挑む、朝日杯将棋オープン戦が間近に迫っています。この朝日杯で優勝したなら六段に昇段することを以前に書きましたが、実現の可能性は決して低くはなさそうです。
朝日杯で優勝するかしないかは、今はまだ神のみぞ知ることです。しかしここで朝日杯の結果とは別に、気になることが出てきました。
将棋連盟の昇段規定には、
「※抜群の成績を挙げた場合は、理事会にて審議の上、昇段を決定することがある。」
と明記されています。もしかしたら藤井五段にはこれが適用されるのではないか、ということです。
この例外的規定により昇段したことがあるのは、近年では2人います。
1人目は阿久津主税八段です。六段時代の2008年度、朝日杯将棋オープン戦で優勝し、「類まれなる成績」として七段に昇段しました。
2人目は菅井竜也王位です。四段時代の2011年度、大和証券杯ネット将棋・最強戦において優勝し、やはり「類まれなる成績」として五段に昇段しました。
では藤井五段が将棋大賞の記録部門で、全部門独占したなら?
十分に資格ありではないでしょうか。これに勝る「抜群の成績」はちょっと考えられませんし。
過剰な期待は禁物にしても、年度末に向けてもうひとつ楽しみが出てきたと思っています。