「ノーマル四間飛車」という言葉はいつ生まれたのか
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先日の記事を書いていて、ふと気になったことがありました。
角道を止める、従来型の四間飛車――今では「ノーマル四間飛車」と呼ばれることも少なくないですね。
そもそも何がノーマルなのかといえば、角交換型の四間飛車の採用が増えたことで、それと区別するために名付けられたことは疑いありません。
角交換四間飛車はもともと、2000年前後には長沢千和子女流四段が指していたとのこと。*1アマ間でもひそかな人気戦法として知られていましたが、これをさらに深いレベルで研究し、一大戦法に昇華させたのが藤井猛九段です。この功績により、藤井九段は2012年度に二度目の升田幸三賞を受賞しています。
さて、私が気になったこととは「いつノーマル四間飛車なる言葉が生まれたのか」です。藤井九段が角交換四間飛車を連採しだした頃より前なのは確実。また2008年には東大将棋部が「角交換振り穴スペシャル」という本を出しています。
- 作者: 東大将棋部
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2008/03/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本が出た頃には、すでに生まれていたであろうと当たりをつけました。
書籍の中で初めて出たのはいつか、ということを調べるのはちょっと骨が折れそうですが、ネット上で出たのはいつか、ならGoogleの日時指定で簡単に検索できます。2007年以前では見つからなかったので、2008年に絞って検索してみました。
5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)のスレ。レス番号34(2月11日)に記載されています。
将棋のアマ名人とプロ棋士とではどのくらい差がありますか? - アマ名... - Yahoo!知恵袋
Yahoo!知恵袋より。5月8日の解答に記載されています。
ゲーム理論から見た将棋(2)「角交換振り飛車流行の理由」 - 将棋の神様〜0と1の世界〜
6月24日の記事に、何度も出てきます。ブログの長文記事中に出たのは、おそらくこれが初めてです。
少なくともネット上では、2008年頃から使われていたと結論してよさそうです。その後、多くの人が使うようになりました。初期に何気なく使っていた人たちも、すっかり定着するほどに広まるとは思ってもいなかったことでしょう。
*1:2014年9月26日 第8期マイナビ女子オープン 本戦 長沢千和子女流四段 対 和田あき女流2級 17手目の棋譜コメント