急戦はいまだ死なず! 青野照市九段、四間飛車相手に会心の勝利
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先日12月8日、棋聖戦二次予選において青野照市九段と阿久津主税八段との対局が行われました。
将棋ファンが驚き、あるいは喜んだのは、その戦型でした。
後手阿久津八段の角道を止める従来型の四間飛車に対し、先手青野九段は左の銀を5七から4六へと繰り出しました。青野九段が創案した対振り飛車の急戦策「鷺宮定跡」です。局後の感想で、青野九段は「新鷺宮は10何年ぶりですよ」と語りました。
しかしこういった四間飛車対居飛車急戦は、最近はプロ間ではほとんど見られません。振り飛車の美濃囲いに堅さ負けしないよう、居飛車側はだいたい穴熊に組むからです。そのほうが実戦的ということなのでしょう。青野九段のように好んで急戦に出る棋士は、現役では他に貞升南女流初段、あとはほとんど思いつきません。このクラシカルな戦型には、同業者たちも反応を示していました。
今日のモバイル中継、青野九段対阿久津八段の対局、懐かしい将棋に浸る、多分最近の若手棋士は鷺宮定跡を知らない棋士もいるかもしれないと思います。自分が奨励会の頃を思い出しますね。
— 飯島栄治 (@eijijima) 2017年12月8日
青野ー阿久津戦、懐かしすぎる😂小学生の頃に山ほど指しました。この局面がまた見られるとは😭
— 上田初美 (@ueda823) 2017年12月8日
この戦法が無ければ将棋続けてなかったなぁぐらいに思うのが鷺宮定跡。
— ふじたまいこ @深川いっぷく (@pie_co) 2017年12月8日
プロもアマも固唾を飲んで見守ったこの戦いは、101手で青野九段が勝利しました。それも阿久津八段が「一直線で負けにしました」と語るほどの快勝譜。どんな戦いだったかは、ぜひ将棋連盟モバイルでチェックしていただきたいです。
実は私も、四間飛車相手には急戦を好んで指すので、今回の将棋には大きな勇気をもらった気がします。青野九段にはぜひこれからも、対振り飛車急戦の新境地を披露していただきたいと思っています。