タレントとしても人気の竹俣紅女流初段、ネット中継で対局姿を見られる!
第8期リコー杯女流王座戦は、本戦トーナメントへの出場者を決める二次予選がいよいよ今週から開幕します。
女流棋士の対局はタイトル戦や挑戦者決定戦、一部のプロアマ混交予選、あとは非公式のイベント対局くらいしか中継される機会がないのですが、対局予定のページを見ると、この二次予選はリコー杯サイトと将棋連盟モバイルでの中継が予定されています(二次予選の全部が中継対象であるかは、まだわかりませんが)。
そして6月7日(木)には、竹俣紅女流初段vs里見咲紀女流初段が行われるのですが、この対局が有料会員サービスの「将棋プレミアム」でも中継されるのです。
【生中継のお知らせ】
— 【公式】将棋プレミアム (@shogipremium) 2018年5月30日
6月7日(木)に行われる「第8期女流王座戦 竹俣紅女流初段vs里見咲紀女流初段」の一戦を、将棋プレミアムで生中継します!
両者とも、公式戦の動画生中継では初登場となります。お見逃しなく!
配信ページはコチラ⇒ https://t.co/VFKLCRg191#将棋プレミアム pic.twitter.com/xTPnQX88ms
有料会員しか閲覧できないとはいえ、予選段階での動画生中継というのは、男性棋士の対局でもそうそう組まれるものではありません。やはりタレントとしても人気の竹俣さんだから、この中継は実現したのでしょう。
竹俣さんといえば、先日に文春オンラインでのインタビューが公開されていました。
学生といっても職業を持っているので、経済的に自立したい思いが強かったんです。私は棋士として対局料をいただいていますが、高校の時に自分の対局料を知って、将棋だけではまったく自立できないことを自覚したんです。それで、もう一個何か職業を持った方がいいと考えて、タレント業もすることにしました。
対局料だけでやっていける女流棋士は、タイトル戦に出るトッププレイヤーくらい。このことは知識としては知っていましたが、当人の口から出る言葉はやはり重いですね。
一将棋ファンとしては、できる範囲で棋士の対局料に寄与したいと考えていますので、今回の対局、将棋プレミアムに1day会員登録してみようと思います。みなさんもいかがでしょうか。
千駄ヶ谷で将棋めしのイベントが開催!
6月3日に渋谷区で「渋谷おとなりサンデー」というイベントが開催されます。
地域コミュニティーの活性化を目的として開催されるイベントで、いろいろと楽しい企画があるようです。
そして明日には、前夜祭としてこんなイベントが。
千駄ヶ谷の鳩森八幡神社の裏手に将棋会館があります。
この将棋会館では棋士の方々が対局の合間のお昼ご飯や晩御飯に、出前をとって食べます。昨年「将棋めし」として注目をされました。
わたしたちは、「渋谷おとなりサンデー」の趣旨に賛同し、この「将棋めし」で「渋谷おとなりサンデー」の前夜祭を企画しました。
出前だけのお祭りは、今までないと言えます。色々と試行錯誤しておりますが、緑豊かな神社の境内敷地内で食べる出前は、とても美味しいのではと思っております。関係者一同、鋭意準備をしております。
皆さん、出前をとって一緒に「将棋めし」のご飯を食べにきませんか
将棋ファンにはおなじみの鳩森八幡神社で、これまた将棋ファンにはおなじみの店(ほそ島や・ふじもと・みろく庵・紫金飯店・千寿司)に出前を頼む。ただ食べるだけなのに、何と面白そうなイベント!
普段は見られない「将棋堂」の扉も開かれるそうなので、近隣の方もちょっと遠い方も、足を運ぶ価値があるのではないでしょうか。
いつの間にか公開されていた「女流棋士の降級点と引退制度」
先日、女流棋界のレジェンドである蛸島彰子女流六段の引退祝賀会が開催され、大好評のうちに終わりました。
女流棋界の先駆者・蛸島彰子女流六段「将棋から学んだことは続けることの大切さ」引退記念パーティーに約300人 https://t.co/LX2ROkLBlb pic.twitter.com/GUk5gQ0xlG
— スポーツ報知 (@SportsHochi) 2018年5月27日
蛸島さんの功績は非常に大きく、この方がいなければ今の女流棋界はなかったと言っても過言ではありません。蛸島さんはもう公式戦には出ませんが、今後もLPSAプロとして「1dayトーナメント」など、LPSA主催の大会には出場されます(ちょうど6月9日に開催されます)。まだまだ後輩たちに存在感を示されることでしょう。
さて、蛸島さんは自らの意思で引退されたわけですが、女流棋士にも棋士と同様に、降級点と引退に関する規定があります。
その規定というのは、これまで非公開でした。そのためどういう場合に降級点を取り、引退に追い込まれるか、ファンにはほとんどわからなかったのです。プレイヤーそれぞれにファンがいる競技にとって、これは好ましくないことでした。
しかしその降級点と引退制度についての文章が、将棋連盟サイトに公開されていたのです。
これが記載されているのは「よくある質問」のページ。どうやら先月には公開されていたようなのですが、トップページでもお知らせを見た記憶はありません。知らなかったという人のほうが圧倒的に多いのではないでしょうか。かなり大事なことなので、もっと大々的に告知してもよさそうなものですが……。
この内容は昨年度までとそう変わりはないのか、それとも女流棋士規定変更に合わせて、こちらにもかなり手が入ったのか、定かではありません。ともあれ、今までベールに包まれていた事柄が明らかになったのは、ファンにとってはプラスでしょう。
新たな女流3級、田中沙紀さんがプロへの道へ
本日、女流棋界に明るいニュースがありました。
田中沙紀さんが女流棋士3級に!#田中沙紀 さんから女流棋士への資格申請書が提出されました。2018年6月1日付で、関西本部所属の女流棋士3級になります。
— 日本将棋連盟【公式】 (@shogi_jsa) 2018年5月30日
※旧規定での資格申請となります。https://t.co/nux8IoxdGE pic.twitter.com/kWyIGS2Gni
関西研修会C1クラス所属の田中沙紀さんが、女流3級に!
今年度から女流棋士規定が改定されて、今後は女流3級がなくなると当ブログでも書いてきたのですが、
- 平成30年5月末日までに旧規定か新規定かを選択する。
- 旧規定を選択した者には、平成31年3月末日の申請まで旧規定を適用する。
- 旧規定での申請は1回限りとし、申請期間は資格取得日から2週間以内とする。
という項目があるのを失念しておりました。ともあれ、田中さんが旧規定を選択しての最初の適用者ですが、他に選択者がいなければ最後でもあるかもしれません。B2への昇級で女流2級を目指すとなれば、また少なくない時間が必要だったでしょうし、これは好手でしょう。
立場が人を強くするとは、よく言われることです。仮資格とはいえプロになったことで、これからは堂々と公式戦に参加できます。その身分が、きっと棋力の向上に寄与するはずです。
デビュー戦はおそらく夏のマイナビ女子オープン予選。ここで本戦入りすれば一気に女流2級なので、期待したいですね。
正規プロを目指す藤井奈々女流3級、試練の2年目は好調スタート
今年度から女流棋士規定が変更され、いわば仮免許である女流3級が今後はなくなるということを以前にも書きました。
女流棋士になるための規定、LPSAも将棋連盟と歩調を合わせる - Arai Koh's Shogi Life
しかし現在女流3級の人は、それまでどおりの規定で正規プロを目指している最中です。そのうちのひとりが藤井奈々女流3級です。
藤井さんは京都府出身の20歳。女流3級となったのは2017年2月20日のことです。
2年以内に規定の成績を挙げれば、晴れて女流2級となることができるのですが、2017年度は1勝もできずに終わるという、かなり厳しい状況となっていました。
ところが今年度に入ってからは4戦して全勝と、それまでの遅れを取り戻すには十分な活躍をしています。特に倉敷藤花戦の2回戦で、現在女流王位戦にも挑戦している実力者・渡部愛女流二段から挙げた白星が光ります。これで強くないはずがありません。
では、女流2級に上がるための昇段規定を見てみましょう。
- YAMADA女流チャレンジ杯ベスト4
- 1年間で参加公式棋戦数と同数の勝星を得る。
- 2年間で参加公式棋戦数の4分の3以上の勝星を得る。
- 「女流棋士昇段級規定」の女流1級に該当した場合。
藤井さんは2番目を除くすべてで可能性があるわけですが、4番目の女流1級への条件をさらに見てみましょう。
- マイナビ女子オープン本戦入り
- 女流王座戦本戦入り
- 女流名人予選決勝進出
- 女流王位リーグ入り
- 霧島酒造杯女流王将戦本戦入り
- 倉敷藤花戦ベスト8
- YAMADA女流チャレンジ杯決勝進出
- 女流2級昇級後の対局で、年度成績指し分け以上(7勝以上)
- 女流2級昇級後30勝
藤井さんは現在女流王座戦の二次予選と、倉敷藤花戦の3回戦(ベスト16)に進出しています。日程的に一番早い昇級の可能性としては、このどちらかでの勝利ということになりそうです。次に近いのがYAMADA女流チャレンジ杯のベスト4、先頃五番勝負が終わったマイナビ女子オープンの予選は夏ですね。
逆に言うとこれらを逃せば、かなり厳しくなります。「2年間で参加公式棋戦数の4分の3以上の勝星を得る」を満たす以外になくなりますが、具体的に計算すると、
参加公式棋戦数は7なので、2年間では14。その4分の3以上なので11。
藤井さんは現在通算4勝しているので、あと7勝が必要です。トーナメントは負けたら終わりなので、1棋戦でも敗退すればそれだけチャンスがなくなってしまいます。
しかし間違いなく実力はある人ですから、この厳しさも乗り越えてくれるのではないでしょうか。そしていずれは女流棋界にも藤井あり、をアピールしていただきたいところです。
伊奈川愛菓女流初段、復帰後負け知らずの4連勝!
本日はマイナビ女子オープン五番勝負の第4局があり、西山朋佳三段が加藤桃子女王を破り、念願の初タイトルを手にしました。
しかし女流棋界にはもうひとつ、見逃せないニュースがありました。
当ブログでたびたび取り上げている伊奈川愛菓女流初段が、先日の倉敷藤花戦2回戦で貞升南女流初段に勝利していたのです。
これで復帰後は負け知らずの4連勝、本当に驚きです。とても2年間のブランクがあったとは思えません。この快進撃はどこまで続くのでしょうか?
それでは伊奈川さんの今後の予定をまとめてみましょう。
マイナビ女子オープン:予選の組み合わせ発表待ち
女流王座戦:二次予選進出、次は山口恵梨子女流二段と対戦
女流名人戦:復帰前に予選が始まったため、今期は未出場
女流王位戦:予選の組み合わせ発表待ち
女流王将戦:復帰前に予選が始まったため、今期は未出場
倉敷藤花戦:3回戦進出、次は藤井奈々女流3級と対戦
YAMADA女流チャレンジ杯:1回戦で高浜愛子女流2級と対戦
大一番はやはり女流王座戦でしょうか。山口恵梨子女流二段はイベントに聞き手に引っ張りだこの、女流棋士の中でも特に人気の人ですが、将棋のほうは「攻める大和撫子」と称されるほどの強烈な攻めで評判です。
女流棋戦は予選だとなかなか中継されないのですが、この一番はぜひともモバイル中継で見たいものです。
今年度も好調! 大橋貴洸四段の躍進
以前に書いた大橋貴洸四段の記事、数ある記事の中でもよく読まれています。やはり人気の若手棋士のことを知りたい人は多いようですね。
今年度に入ってからも、大橋四段は好調をキープしています。各ランキングは以下のとおりです。※2018年5月22日対局分まで(未放映のテレビ対局を除く)
- 6勝2敗
- 対局数ランキング:同率3位
- 勝数ランキング:同率3位
- 連勝ランキング:同率3位
棋戦別に見ると、竜王戦6組ランキング戦の決勝進出が光ります。5組への昇級を決め、あと1つ勝てば挑戦者決定トーナメント進出です。
そして先日発表された超早指し棋戦「AbemaTVトーナメント Inspired by 羽生善治」の出場者に選ばれています。
【情報解禁】#将棋 ch🎉
— AbemaTV@今日の番組表から (@AbemaTV) 2018年5月22日
『 #AbemaTVトーナメント Inspired by 羽生善治』放送決定!
羽生善治永世七冠の着想から作られた「AbemaTVルール」による将棋界初の"超早指し"対局👊
秒刻みで繰り広げられる攻防で
トップ棋士“最速・最強”が決まる👑
6月17日(日)夜8時
番組詳細▶https://t.co/qUpv3nQvEF pic.twitter.com/c8wZxQD52h
シード棋士以外の出場者は、すべて勢いのある若手や中堅です。大橋四段が選ばれたのも納得ですね。どんな色のスーツを着るのか、今からワクワクです。
さらに現在、棋書の執筆にも取りかかっているようです。
今日は書籍の打ち合わせで大橋貴洸四段とお会いしました。噂通りのオシャレ先生でした。会話の中で、ほとばしる頭の回転の速さと、オリジナリティを出すことに対する強い意志を感じました。全国の大橋先生ファンの皆様、いつか出る本にご期待ください!
— 将棋情報局編集部 (@mynavi_shogi) 2018年5月17日
対局に執筆に、ますます忙しくなりそうな大橋四段。明日も王将戦一次予選で対局があり、モバイル中継もされます。しっかりチェックしましょう!
目からウロコ! 0手詰の詰将棋
昨晩、宮本広志五段がこんなをツイートをされていました。
そういえば0手詰めってないけど以外と面白いかもなあみたいなことを言っていたんですがどうなんでしょう?
— 宮本広志 (@hiroshimiyamo) 2018年5月20日
最初は確かに動けない形から覚える方がいいかも‥ pic.twitter.com/lMNbvQzZKA
0手詰! お前はもう詰んでいる、と思わず言いたくなってしまいます。
3手詰、1手詰といったきわめて短手数の詰将棋本が人気になったのは、比較的最近のことです。
そこで提唱された0手詰。これは目からウロコではないでしょうか。そもそも初心者は、どういう形が詰んでいるのかよくわからないのだと思います。0手詰の本がもし出たら、きっと今までにないものだと評判になるはず! というかどこか、宮本五段にオファーを出すべきでしょう!
出たとしたら、とりあえず第1問目はこれですかね?
またひとつ将棋漫画が誕生! 『リボーンの棋士』
先週、週刊少年ジャンプで『紅葉の棋節』という将棋漫画がスタートしましたが、青年誌のほうでもこんな作品が。
御縁がありまして、明日5月21日
— 鈴木肇 (@hajjme99) 2018年5月20日
発売の週刊スピリッツ(@spiritsofficial )にて連載が始まります
「リボーンの棋士」作 鍋倉夫
私が棋譜監修をさせて
頂きます。
応援して頂けたら嬉しいです。
拡散希望です。多くの方に見て頂きたい作品です。
将棋を知らない方も是非見て頂けたら幸いです。 pic.twitter.com/zQnLUJpb3l
週刊ビッグコミックスピリッツで連載開始する『リボーンの棋士』。まったく事前情報はキャッチしていなかったので驚きました。作者は鍋倉夫さん。どうやらデビューしてからそう経っていない若手作家のようです。
そして監修は鈴木肇さん。元奨励会三段のアマチュア強豪で、最近新聞でも取り上げられましたね。
掲載誌のカラーからすると、骨太の人間ドラマが展開されそうです。それにしても、いろんな雑誌で将棋漫画が連載されるというのは本当に喜ばしいかぎり。
藤井聡太七段誕生! そして九段への最短ルートは?
つい先ほど、藤井聡太六段が竜王戦5組ランキング戦準決勝において船江恒平六段に勝ち、七段昇段を決めました。
村)竜王戦5組準決勝の船江恒平六段ー藤井聡太六段戦は、藤井六段が勝ちました。藤井六段は、竜王戦連続昇級の規定により、七段に昇段しました。六段昇段からわずか3ヶ月のスピード出世です。あと1勝で、挑戦権を争う決勝トーナメントに進出します。
— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) 2018年5月18日
↓の記事を書いたのは1月だったのですが、本当にここで想定したとおりの展開になってしまいました。とんでもなさすぎる!
さて、彼の昇段には多くの人が興味津々のようで、今日はこの記事のアクセスも増えていました。
執筆時点から状況が少し変わっているので、整理しましょう。
九段になるための最短ルートである「タイトル3期獲得」ですが、王座戦と竜王戦は勝ち残っているのですが、3つめの王将戦は、すでに敗退しています。
しかし王将戦七番勝負とほぼ同時期に開催される棋王戦五番勝負があります。藤井七段は現在、この棋王戦の予選決勝まで勝ち残っています。
つまり「藤井聡太九段が誕生するとしたら最短でいつか?」の答えは、ほとんど変わっておらず、来年の春あたりということになります。