証言 藤井聡太
毎月何らかの藤井聡太本が発売されているような感じですが、来月にはこんな本が出るようです。
2017年度の将棋大賞の記録4部門を独占した棋士・藤井聡太。デビューからわずか1年でトップグループにまで駆け上がった時代を背負うスターの出現は将棋界をどう変えたのか。師匠、プロ棋士、取材関係者らが見た天才棋士の「驚異の思考力」をエピソードとともに検証する。AIによる分析、過去の名棋士との比較、また話題となった「勝負めし」も収録。
あちこちから藤井聡太本が出ているので、これでしか読めない! というような内容にするのはかなり大変かと思うのですが、はたしてこの『証言 藤井聡太』は、そういう本になるでしょうか。ひとまずは続報待ちです。
初心者にもオススメ! 一年一度のお楽しみ『新手年鑑』
毎年5月、『将棋世界』の別冊付録に『新手年鑑』というものがつきます。
その1年、公式戦で出現した新手をまとめたという内容です。編者は将棋界のプロフェッサーとして知られる勝又清和六段。
私はこのシリーズをいつも楽しみにしているのですが、駒の動きを覚えたばかりの初心者にもオススメできます。何と言っても一手のみの紹介なので、わかりやすいのです。しかもその多くが、勝利を引き寄せるような素晴らしい手なわけですから。
「将棋とは、素晴らしい手を指せばいいものなんだ」
と語ったのは加藤一二三九段ですが、新手年鑑は素晴らしいだけでなく新しい手の宝庫。誰が読んでも驚きと新鮮さを味わえます。AmazonのKindleではこの別冊付録だけを購入できるのですが、いかがでしょうか? 去年と一昨年に出たものもあります。
読む将必見、駒落ち定跡のバイブル『将棋大観』が復刻!
戦前から戦中にかけて無敵を誇り、将棋界の中心であり続けた木村義雄十四世名人。
この人の業績はたくさんありますが、その中のひとつに定跡の整備があります。当時は満足な定跡書がなかったと述懐する木村名人は、アマチュアが楽しんで学べるようにと、この難題に取り組みました。その集大成とも言えるのが昭和3年に刊行された『将棋大観』で、大ベストセラーとなりました。
昭和51年には平手定跡を抜いた駒落ち定跡に絞った内容で再出版され、再びロングセラーに。私はこれをAmazonのマーケットプレイスで購入したのですが、奥付を見ると「平成8年 第25刷」とあります。これほど長く売れ続けた棋書は、他にどれほどあるか。
さすがに現在は絶版になっていたわけですが、このたびマイナビ出版から「プレミアムブックス」として復刊することになりました。
名著中の名著がプレミアムブックスで復刊!「将棋大観 プレミアムブックス版」。駒落ち定跡の永遠のバイブル。|将棋情報局 #将棋情報局 https://t.co/WO1oymytxz
— 将棋情報局編集部 (@mynavi_shogi) 2018年5月8日
木村名人は卓越した著述家でもありました。『将棋大観』は駒落ち定跡を学ぶのに役立つのはもちろんですが、その古めかしい名文を鑑賞するのにも最適です。たとえば六枚落ちの項目では……。
六枚落は、下手方として、上手の駒が只金銀四枚だけであるから、極めて容易に極めて簡単に破り得ると思って、侮って指しては、失敗を招くのである。飛車や角の如き大駒を成る為に、無暗と駒を捨てる人があるが、それは決して良策ではない。
(中略)
真理は一つであるから、この六枚落の定跡手筋は、将棋全体すなわち平手から五枚落までに必ず応用できるのであるという信念を以て、一つの手筋を十分に会得することは、どれだけ多くの知識を得ることになるか、測り知れないのである。
この点はっきり記憶して、研究せられれば、六枚落の手筋にも、なる程と思われることがたしかに感ぜられると信じる。
全編にわたってこのような調子で、今の定跡書にはない昭和の香りが漂います。
最近は「読む将」と呼ばれる将棋ファンが増えています。自戦記や観戦記、ネット中継の棋譜コメントなどが、将棋文学というべきものだと幅広い層に認知されはじめているのです。その読む将にとって、『将棋大観』は間違いなく垂涎の的となるでしょう。
香川愛生女流三段、今度はメイド姿を披露する
先日、将棋ライトノベル『りゅうおうのおしごと!』のコスプレを披露した香川愛生女流三段。
当ブログでも取り上げて「またぜひ新作を!」などと書いていたのですが、本当に新作を発表してくれました。
わたしも #メイドの日 ♡ pic.twitter.com/OS1s0tTzTS
— 香川愛生 Manao Kagawa (@MNO_shogi) 2018年5月10日
初めて知ったのですが、先日5月10日はメイドの日だったそうで、それに合わせてのメイドコスプレ。いやはや素晴らしい。そしてこんな写真も発掘されたり……。
懐かしい写真ですが上げたら怒られるかな?
— itumon (@itumon) 2018年5月10日
#メイドの日 pic.twitter.com/vvTeRrajSX
ところで将棋界とメイドは無縁ではなく、かつては「ご主人様、王手です」という企画があのBIGLOBEで配信されていました。私もリアルタイムでは知らないのですが、詳しくはニコニコ大百科の記事をご覧ください。
ご主人様王手です、というネットの番組がありました。6年くらい前かな。ニコ生にまだいくつか映像があるようです。将棋初心者の女の子3人(メイド服着用)に将棋を教えて、半年で3級にする、というぶっ飛んだ企画でした。2013年から振り返ってもなかなかの尖り具合ですね。
— 遠山雄亮 (@funnytoyama) 2013年6月13日
このとおりプロ棋士も参加した企画なのですが、今もう一度やったら、結構受けるんじゃないでしょうか(笑)。
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英国メイドの世界 エッセンシャル版 ~屋敷で働くメイドの仕事・エピソード集~
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復帰後連勝なるか? 女流王座戦一次予選に伊奈川愛菓女流初段が登場
今年度から復帰した伊奈川愛菓女流初段について、当ブログでは2回にわたり紹介してきました。
2年ぶりの復帰とあって、少なくない将棋ファンが注目している伊奈川さんですが、12日(土)に再び登場します。
東京都新宿区「AP西新宿」で開催される、女流王座戦の一次予選です。選抜されたアマチュア、そして海外からの招待選手も交えて行われ、例年ただの予選とは一味違う盛り上がりを見せています。
伊奈川さんの初戦の相手は畑中さゆりアマ。プロアマ交流棋戦では常連の方で、4月に行われたアマチュア東日本大会を勝ち抜いての登場です。しかし伊奈川さんとしては、アマチュアには負けられないところ。なんとモバイル中継も予定されているので、何かしら近況が書かれることを期待したいですね。
これに勝利すると、待ち構えているのは現在女流王位戦に挑戦し、大逆転で初戦を飾った渡部愛女流二段です。渡部さんは間違いなく現在の女流棋界のトップ集団に位置する人ですが、ブランクのある伊奈川さんがどこまで戦えるか注目されます。
藤井聡太六段の各棋戦勝ち残り状況まとめ
昨日に行われた王座戦挑戦者決定トーナメント、屋敷伸之九段vs藤井聡太六段の一戦は、藤井六段の勝利でした。
#屋敷伸之 九段VS #藤井聡太 六段戦は藤井六段が勝利しました。これで本年度は負けなしの4連勝となりました。次戦は、 #羽生善治 竜王VS #深浦康市 九段戦の勝者と対局します。#王座戦 #ShogiLivehttps://t.co/7OmKhN7nW5 pic.twitter.com/mIG0P94066
— 日本将棋連盟【公式】 (@shogi_jsa) 2018年5月7日
先手の利を生かし屋敷九段が攻めかかる展開でしたが、途中からは藤井六段が鋭い手を連発。屋敷九段の勝負手もものともせず、いつもの華麗な終盤術で受けなしに追い込みました。これで2回戦進出、次は羽生善治竜王vs深浦康市九段戦の勝者と対戦します。
さて、藤井六段はあちこちで勝っているようなイメージがありますが、各棋戦の進行状況はどうなっているのか、まとめてみました。
竜王戦:5組ランキング戦準決勝進出
順位戦:6月に開幕局
叡王戦:本戦敗退
王位戦:予選敗退
王座戦:挑戦者決定トーナメント2回戦進出
棋王戦:予選決勝進出
王将戦:一次予選敗退
ヒューリック杯棋聖戦:一次予選敗退
朝日杯将棋オープン戦:優勝
銀河戦:本戦敗退
NHK杯:本戦から登場
新人王戦:2回戦進出
※加古川清流戦と上州YAMADAチャレンジ杯はスピード昇段に伴い、出場資格はなし。
参考記事:藤井聡太六段、強すぎて若手棋戦に出られなくなる
2月に優勝を決めた朝日杯を除けば、勝ち残っている&これから始まる棋戦と、すでに敗退している棋戦が半々というところです。ここからどれだけ勝ち残っていけるか、リーグ戦である順位戦とともに注目ですね。
次の対局は5月18日(金)、七段昇段を懸けた竜王戦5組ランキング戦準決勝、対船江恒平六段戦です。いつも以上に世間が熱い視線を送る一戦になることでしょう。
羽生善治竜王と藤井聡太六段 普通の子供が天才になる11の「思考ルール」
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最年少タイトルホルダーを目指す藤井聡太六段、最年少タイトルホルダー記録を持つ屋敷伸之九段と対局!
明日5月7日、王座戦挑戦者決定トーナメントの屋敷伸之九段対藤井聡太六段戦が行われます。藤井六段はこのトーナメントで羽生善治竜王との再戦の可能性がある、と先日に書きましたが、まずは屋敷九段との初戦に勝たなければなりません。
藤井六段と屋敷九段は、去年の12月に朝日杯将棋オープン戦の二次予選で対局しており、このときは藤井六段が勝利しています。彼にとっては公式戦における初のA級棋士撃破でした。忍者流とも称される屋敷九段の鋭い攻めをギリギリのところでかわし、あとは一気の反撃に出るという、藤井六段らしい華麗な勝利でした。
それにしてもつくづく、将棋の神様は上手いことやるなと感じます。最年少タイトルホルダーを目指す藤井六段、決勝トーナメントの最初の相手が屋敷九段とは、これまた漫画のような展開です。
多くの将棋ファンがご存じの通り、屋敷九段は最年少タイトルホルダーの記録を持っています。
屋敷九段は1989年、第55期棋聖戦を予選から勝ち上がり、当時の中原誠棋聖に挑戦しました。このとき17歳で、タイトル挑戦の最年少記録です。五番勝負は惜しくも2勝3敗で敗れ、中原棋聖が貫禄を示しました。つい最近放映された将棋フォーカスで屋敷九段の特集があったのですが、中原棋聖は親子ほども歳の差があった屋敷九段相手に、ずいぶんやりづらさを感じていたそうです。
屋敷九段がすごいのはここから。次の第56期にも挑戦者になり、今度は3勝2敗で奪取に成功しました。わずか18歳6か月でのタイトル獲得です。その前年に羽生さんが19歳で竜王の座に就き、史上最年少タイトルホルダーとなっていたのですが、それを上回ったというのは、当時どれだけ衝撃だったことでしょうか。
屋敷九段はプロデビューからタイトル獲得までの最短記録(1年10か月)も樹立し、また続く第57期では防衛に成功。もちろんタイトル防衛の最年少記録です。
前述の将棋フォーカスで「次は自分の記録がターゲットなのかな」と、いつものニコニコ顔で語っていた屋敷九段。しかし今度は持ち時間も5時間と大幅に増え、そう簡単にやらせはしないでしょう。熱戦は間違いなしです。
こういうのが欲しかった? 符号を書くのに便利なキーボードアプリ
今朝、いつものようにTwitterを#shogiタグで眺めていると、こんなものを見つけました。
将棋用キーボード
— Android Soft Keyboard (@keyboardroid) 2018年5月4日
将棋の棋譜を書くのに便利なキーボードです。
数字と『歩香桂銀金飛角玉』などがワンタッチで入力できます。#アンドロイド #将棋 #アプリ #棋譜 #キーボード #Android #keyboard #application #apps #shogi https://t.co/oEV0xYqYED pic.twitter.com/UrSMMKRNbW
その名も『将棋用キーボード』。つい先月リリースされたばかりの、Android用アプリです。
私はTwitterでたびたび局面の内容をツイートすることがあります。パソコンだとそれほどでもないですがスマホのフリック入力だとわりと面倒ですよね。先手後手を表す▲&△とか、漢数字と算用数字の使い分けとか。
しかしこのキーボードアプリを導入すれば、そんな煩わしさからは解放されるかもしれません。Androidユーザーの方で、しょっちゅうTwitterに符号を書く人はいかがでしょうか?
升田の系譜を受け継ぐ者! 長谷部浩平四段が今月デビュー戦
新年度が始まって、早くも一ヶ月が経過しました。名人戦に叡王戦、王位戦の挑戦者決定リーグなど注目局が目白押しですが、個人的にはこの棋士に注目したいと思っています。
4月1日付けでデビューした、長谷部浩平四段。ちょうど最近誕生日を迎えた24歳で、栃木県出身です。
これから長谷部四段を語る際には、この栃木県というワードが欠かせません。何しろ栃木県出身の棋士は故・永沢勝雄八段以来2人目で、戦後では初。実に81年ぶりの朗報に、地元の下野新聞は号外を出しています。今や栃木の星と言っても過言ではなさそう。
【電子号外】長谷部さん(宇大4年、小山)がプロ棋士に 栃木県出身者で戦後初|下野新聞「SOON」
長谷部四段の師匠は、大平武洋六段です。大平六段はこれまで10人近く弟子を取りましたが、その中で長谷部四段が唯一プロ棋士になりました。Twitterやブログでは三段リーグを戦う彼を見守る様子がよく見られたのですが、ホッと一息というところでしょう。
ところで長谷部四段、なぜ大平六段に弟子入りしたかというと、升田幸三に憧れているからと語っています。
四段昇段が決まったときの記事ですが、「升田名人の孫弟子だから大平六段にお願いした」とのこと。系譜をわかりやすく書くと、こうなります。
升田幸三⇒桐谷広人⇒大平武洋⇒長谷部浩平
株主優待生活でおなじみの桐谷七段門下には、大平六段と今泉健司四段がいます。しかし大平六段はもう弟子は取らない予定とのこと。そして今泉四段は編入試験を経てようやくプロの座を射止めた苦労人、自分のことが第一で、弟子を取るということはおそらく考えておられないでしょう(少なくとも当分は)。
つまり長谷部四段こそ、升田幸三の系譜を受け継ぐ最後の男というわけです。
先日にはプロ入りを記念する祝賀会が開かれました。NHK宇都宮放送局のページでその様子が見られます。
「信手一生」実にカッコいいですね。
居飛車力戦形が得意だという長谷部四段のデビュー戦は今月予定。楽しみに待ちたいと思います。
祝! 週刊少年ジャンプで将棋漫画『紅葉の棋節』連載決定
とても喜ばしいニュースが飛び込んできました。
5月14日(月)より発売される週刊少年ジャンプNo.24より
— 里庄 真芳 (@sanadayoshitaka) 2018年5月1日
『紅葉の棋節』(もみじのきせつ)
という漫画を連載致します!
今週発売の少年ジャンプにてその発表と相成りましたゆえ、告知をさせて頂きました。
よろしくお願いします。 pic.twitter.com/hzPxcQuvgw
天下の週刊少年ジャンプで、将棋漫画『紅葉の棋節』の連載が決定しました。
実はこの作品、増刊誌の『ジャンプGIGA』で短期集中連載されたことがあり、単行本も発売しています。
近頃の将棋ブームに乗ってということもあるでしょうが、作品そのものの人気とポテンシャルがあったからこそ、このたびの本誌昇格に繋がったのだと思います。
気になる監修ですが、GIGA版はアニメ『3月のライオン』の監修もされた田中誠さんでしたが、今回は三枚堂達也六段です。ご本人のTwitterで発表されました。
タイトルにミスがありましたので再投稿します。
— 三枚堂達也 (@sanmaido714) 2018年5月2日
週刊少年ジャンプにて5月14日より新しく連載されます「紅葉の棋節」は私が監修を務めさせていただいています。
ストーリーはもちろん、キャラ一人一人の個性、棋風も魅力的ですのでぜひご覧いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします!
連載は5月14日発売のNo.24から。期待しましょう!