コーヒー豆を手で挽く派の藤井猛九段
囲碁・将棋チャンネルでは毎月「月刊竜王戦」が放映されます。竜王戦の近況、好局振り返り、ゲスト棋士を交えてのトークという構成ですが、先日放送された2月号のゲストは藤井猛九段でした。
藤井九段のよく知られた偉業のひとつが、竜王戦3連覇を成し遂げたことです。羽生善治現竜王を二年連続で挑戦者に迎えたときのエピソードなど、興味深い話を聞くことができました。
しかしそれよりも、個人的に興味を引かれたのがこちら。
プライベートでコーヒー豆を挽く藤井九段。振り飛車党であり、コーヒー党だったんですね。
喫茶店に行くの好きなんですよ、前からね。やっぱり盤の前で将棋の研究しているだけだと息が詰まりますから。喫茶店行ってコーヒーでも飲みながら手を考えるのが、結構楽しいことなので、喫茶店に行くことが多かったんですが……コーヒー飲んでいるとね、ちょっと自分でもコーヒー淹れてみようかなってなりますよね。
それで豆を、試しにどんなもんか挽いてみたんですよ。楽しいですよね。コーヒー豆を挽いているときが楽しくて、毎日やってますよ。
私もコーヒー豆を手で挽く派なので、ちょっと嬉しくなりました。しかもKalitaのクラシックミル。私もこれを愛用しています。実際、豆を自分で挽くのは楽しいです。将棋ファンのみなさんも、ぜひ一度やってみてほしいと思います。
アニメ『魔法使いの嫁』でも将棋が?
Twitterで偶然、面白いものを見つけました。
【まほよめ#16】 スピンオフショートアニメ「まほよめ」♪「#しょうぎ」が公開!ショートアニメはツイッター限定にて配信(^▽^)更新は毎週火曜日予定!ショートアニメもお楽しみに♪ (宣伝ポン) #TVまほよめ pic.twitter.com/jAqTVPF2Ed
— TVアニメ『魔法使いの嫁』 (@mahoyomeproject) 2018年1月30日
放映中の人気ファンタジーアニメ『魔法使いの嫁』のスピンオフショートアニメです。
ビームには盛大に笑いました。将棋にどっぷり浸かってしまった人だと、逆にこういう自由な発想のシナリオは作れないかも、と思った次第です。
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アニメ『ポプテピピック』に将棋が登場する?
今クールスタートのアニメの中でも、ひときわ特異な盛り上がりを見せているのがこの『ポプテピピック』です。どういう内容かというと、説明するのは非常に難しいのですが……。とりあえず不条理、シュール作品とでも覚えてもらえばいいかと思います。
そんな『ポプテピピック』で、近々将棋が登場するのではという情報が流れています。
3月発売予定のベストアルバムですが、このジャケット画像(仮のものだと思います)の3段目の一番右。どう見ても将棋の駒ですね。反対側にチェスの駒もあります。これまで4話が放映されましたが、それぞれのキャラクター画像に沿った内容になっていました。
このことから、次の第5話か第6話で将棋とチェスがネタとして扱われる可能性が濃厚と言われています。将棋ファンは要チェックと言わざるを得ないでしょう!
とりあえず、ニコニコ動画で第1話が無料配信されているので、予習の意味も込めてご覧になってみるとよいかと思います。
アニメ『3月のライオン』が海外のアニメアワードにノミネート
海外でも日本のアニメは人気で、特にCrunchyrollという動画配信サービスは、多くのユーザー数を誇っています。海外のアニメファンはこのサイトで毎日のように盛り上がっているわけですね。
そのCrunchyrollから、めでたいニュースが飛び込んできました。2017年のベストアニメを決定する「CRUNCHYROLL ANIME AWARDS 2017」に、将棋ファンにも大好評の『3月のライオン』(英題:March Comes In Like a Lion)の第2シーズンがノミネートされたのです。
全部で17部門あり、「アニメ作品賞」「アニメーション賞」「シリーズ続編賞」「ドラマ賞」「男性キャラクター賞(桐山零)」「エンディング賞(カフネ)」と、6つもの部門でノミネートされています。すでに投票が開始されていますが、もっとも栄えあるアニメ作品賞での受賞が期待されますね。
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まだ間に合う! 森内俊之九段と一緒にカレーを食べられるイベント
北尾まどか女流二段が代表を務める、将棋普及の事業を行う株式会社ねこまど。これまでにもさまざまな将棋イベントを行っていましたが、このたび何ともユニークなイベントが開催されることになったようです。
2/18 森内九段を囲んでカリーをいただくプレミアムランチ会 のご案内 https://t.co/U5Sa8FB9rv
— ねこまど将棋教室 (@shogischool) 2018年1月23日
タイトル戦でのカレー連採、カレーイベントへの出演など、「森内九段といえばカレー」で将棋ファンにはもはやおなじみとなっています。先日の紫綬褒章受章記念祝賀会の席でも、こんな発言があったとか。
祝賀会は終始あたたかく和やかな雰囲気で、祝福ムードに満ちていました。最後に森内九段が声を詰まらせながら謝辞を述べられた姿に、いつまでも純粋な心の人だと感動しました。あと、座談会で「カレーはみなさんの期待に応えて食べてる面もある」のだとか。ファンサービスも忘れないのです(笑)
— shoko-i (@branca_vedete) 2018年1月25日
ファンに喜んでもらうためにカレーを食べるなんて、世界広しといえど森内九段くらいのものでしょう。
新宿中村屋で開かれる「森内九段を囲んでカリーをいただくプレミアムランチ会」(カレーでないのがポイント!)は定員25名で、募集期間は1月30日まで。早い者勝ちではなく、定員を超えた場合は抽選とのことです。まだ間に合いますので、特に最近観る将になった方は、この機会にいかがでしょうか。
ゲーム業界でも存在感を示してきた加藤一二三九段
毎日のように楽しい話題を提供してくれる加藤一二三九段ですが、先日1月23日「一二三(ひふみ)の日」に、ユニークなニュースが発表されました。
ひふみんこと加藤一二三さんが大いに語る、『加藤一二三 九段監修 ひふみんの将棋道場(仮題)』の注力ポイントはココ! https://t.co/zYbeNX9uW0 pic.twitter.com/gV2qmlOQfh
— ファミ通.com (@famitsu) 2018年1月23日
Nintendo Switch向け『加藤一二三 九段監修 ひふみんの将棋道場(仮題)』と、まさかのスマホ向け無料アプリ『ひふみんRUN すすめ!棒銀一直線』。この記事の加藤九段インタビューは、非常に読み応えがありました。タレント活動も増えて多方面で活躍する加藤九段ですが、やはり将棋を語る時が一番輝いていますね。
さて、記事にもあるとおり加藤九段の名を冠するゲームは、約19年ぶりです。加藤九段はスーパーファミコン時代から、監修という形でゲームに関わってきたのです。それらの作品をリストアップしてみました。
朝日新聞連載 加藤一二三九段将棋 心技流
スーパーファミコン
1995/9/22 バリエ
参考リンク:朝日新聞連載 加藤一二三九段将棋 心技流 - スーファミとかの部屋
加藤一二三九段 将棋倶楽部
スーパーファミコン
1997/05/16 ヘクト
参考リンク:加藤一二三九段 将棋倶楽部 - スーファミとかの部屋
本格派DE1300円 加藤一二三 九段 将棋倶楽部
プレイステーション
1997/05/27 ヘクト
参考リンク:本格派DE 1300円 加藤一二三 九段 将棋倶楽部 | ソフトウェアカタログ | プレイステーション® オフィシャルサイト
加藤一二三九段の将棋教室
ゲームボーイカラー
1999/04/09 カルチャーブレーン
参考リンク:加藤一二三九段の将棋教室(カルチャーブレーン) - 「GBのゲーム制覇しましょ」のまとめ - アットウィキ
今度の新作を合わせれば、5つめのコンシューマー機でのゲームソフト。これほどの数を出した棋士は、もちろん加藤九段だけでしょう。
まずは近日リリースという『ひふみんRUN すすめ!棒銀一直線』が楽しみです。サンプル画面を見るかぎりは、横スクロールのアクションゲームのようで、ちょっとした空き時間に軽く楽しめそうですね。
将棋棋士が多数出演する『痛快!明石家電視台』を見よう!
本日22日の深夜、MBS毎日放送の『痛快!明石家電視台』において将棋連盟のプロ棋士が多数ゲスト出演します。
中川大輔八段、佐藤紳哉七段、窪田義行七段、桐谷広人七段、都成竜馬四段、室谷由紀女流二段、北村桂香女流初段というバラエティ豊かな顔ぶれ。世間では株主優待生活でおなじみの桐谷七段がよく知られていますが、この機会にもっと多くのプロ棋士を知ってほしいと思います。佐藤七段は例によって、あの芸を披露するようです。
個人的には窪田七段に注目です。Twitterでは精力的に発信されていますが、テレビでもネット番組でもほとんどお目にかかる機会がないので。
#痛快!明石家電視台 https://t.co/62X1TEcRDh いよいよ予告編が公開された。https://t.co/3xdEm5TSWQ シャンプーハット・てつじさんは準レギュラーの様で、ご推薦ばかりか放送中もお世話を頂いた。佐藤紳哉七段共々、明石家さんまさん以下レギュラーご歴々に愛の駄目出し?を頂戴した次第だ。
— 窪田義行(永世七冠ならぬ通常七段) (@YoshiyukiKubota) 2018年1月21日
さて、この番組はいわゆる関西ローカルなので他の地域では見られないのですが、放送後に「MBS動画イズム」において無料見逃し配信が行われています。
視聴期間は1週間です。関東在住の私も、これでありがたく見させてもらいます。
藤井聡太四段、数ヶ月後には七段になっている可能性も
19日の順位戦C級2組、藤井聡太四段は矢倉規広七段に勝利し、全勝をキープしました。また同じく全勝だった今泉健司四段が敗れたため、単独トップに躍り出ました。
そして藤井四段より順位が上である増田康宏五段と伊藤真吾五段が敗れて2敗となったため、藤井四段が次の9戦目で昇級して五段になる可能性は、かなり高くなりました。具体的には、藤井四段が勝利すればライバルの勝敗にかかわらず昇級することになります。その後朝日杯で優勝するようなら、一気に六段に昇段ということを先日書きました。
そして驚くべきことに、仮に六段昇段が実現したら、さらに数ヶ月後には七段になっている可能性があります。
昇段規定を確認すると「六段昇段後竜王ランキング戦連続昇級または通算3回優勝」とあります。藤井四段は前期、竜王戦6組で優勝して5組に昇級していますので、今期も昇級するようなら、この規定に該当して七段になれるということです。
この「六段昇段後」の解釈はちょっと迷うのですが、「昇段後から数えて連続昇級または通算3回優勝しなければならない、つまり昇段前の昇級や優勝はカウントしない」ということではないようです。昇段を挟んでの連続昇級や通算3回優勝でもOK。実際に三枚堂達也六段が去年、勝数規定により五段になったあと、竜王戦の連続昇級で六段になっています。このスパンはたったの数ヶ月でした。
竜王戦5組のランキング戦では、決勝進出が昇級の条件です(本戦出場は優勝者のみ)。準決勝戦は5月頃には行われます。
つまり15歳七段という、すさまじい記録が実現するかもしれないのです。なお、この昇段に関して片上大輔六段がより細かい記事を書いておられますのでそちらもご覧になるとよいかと思います。
将棋棋士の「力」本まとめ
将棋棋士の出版するエッセイや対談本には「○○力」「○○する力」というタイトルがよく見られます。きっかけはおそらく、羽生善治竜王が2005年に出した『決断力』がベストセラー&ロングセラーになったことです。一種の定跡のようなものでしょうか。
将棋棋士たちはいったいどれだけの「力」を持っているのか……というのは冗談ですが、まとめてみるのも面白いと思ったのでリストにしてみました。
決断力
人間力
勝ち続ける力
考える力
直感力
捨てる力
適応力
集中力
覆す力
長考力
理想を現実にする力
「○○力」の元祖は羽生さんではなく谷川さんだったんですね。まとめてみて初めて知りました。
それにしても羽生さんの本が多いです。棋界を代表する人だから自然ではありますが。もちろん超多忙な羽生さんが自らキーボードを叩いて執筆しているとは考えられないので、他のライターがインタビュー音声等から原稿に起こしている、などが実態かと思います。そのため、一部「疑問手」がつくこともあるようで……。
永世七冠の資格を得て、国民栄誉賞の受賞も決まり、今また脚光を浴びている羽生さん。また何かの「○○力」が出されるかもしれません。
将棋棋士から段位が消えた時期があった?
先日、藤井聡太四段が一気に六段に昇段する可能性があることを書きました。
それにしてもこの段位という制度は便利ですね。たとえば八段や九段となれば、将棋に詳しくない人でも、かなりすごい人なんだなというのが直感的にわかります。
もっとも将棋における段位は、現在の実力というよりは、デビューからの実績を示すものです。目立った活躍がなくとも、長く現役をやっていれば、勝数規定により自動的に昇段していきます。逆に言えば10代や20代の若さで六段や七段になれば、それは順位戦昇級やタイトル挑戦、棋戦優勝を果たしたということで、間違いなく強豪と呼べる棋士になります。
そんな便利な段位制ですが、一時期廃止されたことがあるのをご存じでしょうか。
段位は江戸時代からあるものですが、これに一石を投じようとした棋士がいました。誰あろう十四世名人、木村義雄です。
昭和20年、日本は戦争で敗れ、一から出直しとなりました。木村名人は日本がこれほどまでにみじめに敗北した原因を、肩書きにあると考えたのです。
日本軍では肩書きが重視され、戦争指導者は肩書きで埋め尽くされた。肩書きのない者はいかに優秀でも実力を発揮できず、その機会を与えられることはほとんど不可能だったと分析しました。では将棋界はどうであろうか? 著書『勝負の世界 -将棋随想-』の中で、次のように書いています。
将棋界もまた肩書が物を言う世界であった。一度八段にのぼると、たとえ実力が七段以下に低下しても、いつまでも肩書通り八段の待遇を受け、八段の対局料を貰ってノホホンとすましていられる。
そこで新たに考案したのが、段位を撤廃して実力によってA級、B級、C級の3ランクに分けるというものでした。そう、これが現在も続く順位戦です。主に古参の棋士から反対の声も上がったようですが、木村名人は実に気持ちのいい言葉を放ちます。
「実力がなく成績が悪くて、それで順位が下がったとて何の不思議があろう。名人さえ、ひとたび挑戦試合で負ければ八段格に下落するではないか。それに、先輩というものは、後進に道を開いてやったり、手柄をたてさせるように仕向けるのがつとめである」と力説し、説伏した。
こうして段位は撤廃された……のですが、およそ半年ほどですぐに復活してしまいました。
というのも、段位がないと稽古に行った際に、稽古料のことなどで不便が多いという陳情があったからです。これはなるほど、段位がないと頼む側としてもちょっと困りそうです。現在でも棋士に仕事を依頼する場合、段位によってはっきり料金が違ってますね。木村名人はこう述懐しています。
肩書の好きなのは本人もさることながら日本人一般の通弊のようでもあるし、生活問題ともなれば一応耳を傾けなければならないので、私たちは妥協したのである。
勝負や強さとはまったく関係のないところで、段位を復活させざるを得なかったというのは、なかなか面白いところです。